離婚

死後離婚とは。遺族年金へのデメリットはあるか?実例を踏まえて解説

最近マスコミでもたびたび取り上げられている「死後離婚」。死後離婚とは配偶者が亡くなったあと「姻族関係終了届」を出し婚姻関係に終止符を打つものです。

死後離婚をした場合、遺族年金などデメリットがあるのか?も気になるところ。今回は「死後離婚とは。遺族年金へのデメリットはあるか?実例を踏まえて解説」というタイトルで紹介したいと思います。

老婆
老婆
実は私も死後離婚に興味があるんだよ。でも配偶者が亡くなっているのに離婚なんてできるのかねぇ?
ヒツジさん
ヒツジさん
死後離婚は正式には「姻族関係終了届」を出すというものです。これを出すと姻族関係が終了となり夫婦でなくなります。

死後離婚とは

「死後離婚」とはマスコミが作り上げた造語で正式には配偶者の死後に届け出ることが可能な「姻族関係終了届」のことを言います。

姻族関係終了届についても初耳といった人もいることでしょう。日本では出生した際、出生届を提出し戸籍を作ります。亡くなった場合、死亡届を出し戸籍を閉じる作業を行うのが一般的。

結婚した場合、夫婦戸籍になるのですが伴侶が亡くなった場合も夫婦は継続の形となります。しかし現実は夫婦である限り、義両親の面倒を見なければならない責任や義理家族の親族関係など特に妻側にとっては大きな負担がのしかかることも。

そこで活用したいのが姻族関係終了届です。伴侶の死別後、姻族関係終了届を提出するといわゆる死後離婚状態になります。

姻族(義理家族)と縁切りをしたい、夫と同じ墓に入りたくないなどさまざまな事情で増え続けており過去5年間で1.5倍増加しているというデータも。

実例として義両親と同居していたものの、夫が死別したので姻族関係終了届を提出し同居解消に踏み切ったというケースも多々あります。義両親がどんなにいい人でも夫の死後まで面倒を見る気はないといった人が大半かと思います。

同居の負担はどうしても妻側にかかりがちなもの。介護となると精神的な負担や労力もかかりますし、費用が発生する場合も少なくありません。そうした諸事情から逃れたいならそれこそ死後離婚が一押しです。いい機会なので死後離婚でデメリット・メリットも踏まえて検討するといいでしょう。

どういうものか興味がある人は夫婦問題カウンセラーなどで相談するという手段もあります。

夫の愛人問題で愛情は冷めきっていたものの子供の将来を考え離婚に踏み切れなかったという人もいるかと思います。そうしたケースでは死別を機にいち早く縁を切りたいといった人も。

死別離婚の選択はさまざまな事情を抱えていることもあります。死別したのだから離婚しようがそのままだろうが関係ないのでは?と思う人もいるかもしれません。

確かにそうですが現実問題戸籍が一緒であり、そうなると夫婦としての責任もつきまといます。

女性は特に離婚したくても経済的な理由であったり、子供問題がありなかなか踏み切れないもの。伴侶の死後は自由な生き方をしたいといった人が多いのもうなずけます。

なにはともあれ、姻族の問題を早期解決するためにまずは死後離婚の内容を知ることが先決。姻族関係終了届はどういう性質のものか、今一度確認することをおすすめします。

老婆
老婆
死後離婚を選択する人は増加しているんだねぇ。どういうものか具体的に知らないと踏み切れないです。どこか相談できるところはあるのかい?
ヒツジさん
ヒツジさん
夫婦問題カウンセラーなどでも相談に乗ってくれるところがあります。1度相談してみるといいでしょう。

死後離婚後の遺族年金

配偶者の死後は「遺族年金」も大きな問題です。死後離婚後の遺族年金をそのまま受け取ることができます。この点は心配ありません。とはいえ老後は思わぬ出費がかさむことも。資金貯蓄などもしっかり準備しておきたいところです。

近年増加し続ける死後離婚。相続やお金、遺族年金などについてはきっちり知りたいところでしょう。老後貧乏を避けるためにもお金は大事な問題。

離婚問題で真っ先に出るのが「お金」の問題です。お金は大事なものですし、離婚となると女性は特に専業主婦など仕事をしていないケースも少なくありません。あるいはパートで少なめのお給料というケースも。

お金の事情から離婚に踏み切れなかった人も多いことでしょう。死後離婚では遺族年金をそのまま受給できるのでいわばいいところどりとなります。どういうメリットがあるかというと遺族としての年金をもらうことが可能でさらに姻族の問題から足を洗うことが可能に。

正直姻族の付き合いは大変です。気を使うことも多いですし、労力がかかることも多く、負担の二文字が大きくのしかかることも。特に介護をしている人は伴侶の死後まで介護をしたくないと思っている人もいることでしょう。

介護は家族にとっても大きな負担です。精神的なものはもちろん時間も多く割かなくてはならないですし、中には仕事をやめて介護に専念する人もいるほど。こうした状態は一刻も早く脱出したいところです。

死後離婚をすることで遺族年金がもらえなくなると思っている人も少なくないようですが、幸いもらうことが可能なので上記のような事情がある人は周囲から後ろ指をさされるかもしれませんが、思い切って姻族関係終了届を提出してみてはどうでしょうか。

人生は1度きりです。人目を気にしては非常に生きにくいので、自分を大事にする上でも思い切った選択をする必要があるときあるのでは。

老婆
老婆
死後離婚後も遺族年金は今まで通り受け取ることができるんだね!安心したよ。
ヒツジさん
ヒツジさん
そうなんです。遺族年金は遺族であることに変わりはないので受け続けることができます。この心配は多くの方がされていますが、継続してもらえることから死後離婚に踏み切る人が増えるというわけです。

復縁は出来ない

婚姻関係を姻族関係終了書で終了した場合、復縁することはできません。義理家族の問題などもあると思うので手続きの際はじっくり検討することが大事です。

姻族関係終了書で戸籍は家族でなくなっても、孫とのつながりなどもあるのでその点も考慮しなくてはならないことも。

やっぱり復縁したいと思っても復縁はできないので最終結論は慎重に出しましょう。

通常の離婚の場合、復縁のケースも多々あります。元夫婦が復縁するケースはたびたび耳にしますが縁があって夫婦になったわけですから、復縁しても全くおかしくない話。

姻族関係終了書の提出でいわゆる死後離婚をした場合、復縁ができないのが離婚と大きな違いです。色々考えた結果、やはり復縁したい!と思ってももはや後の祭り状態。残念ながらどうすることもできません。

ではどうしたらいいのかというと、姻族関係終了書を提出しないという選択しかないのです。もし提出してしまったらあくまで紙上の話なので自分の努力で姻族関係終了書前のように環境を保つことは不可能ではないかもしれません。

具体的には姻族との関係です。姻族との関係が切れるとなると法事への参加が難しいケースも。姻族との付き合いは疎遠にしたい人でも法事は出たいという人もいるかと思います。そうした行事には参加させてもらえるよう、お願いしてみるのも1つの手段。

姻族としては姻族関係終了書を出した以上、付き合いを切りたいという意思表示だと思っていることも多いので相手の気分をなるべく害さないように、うまく付き合っていくことが大事です。あるいは衝突しても本音で話し会うか。

離婚もそうですが世の中綺麗な別れ方なんて存在しません。多くの場合、ドロドロの悲劇が待ち受けています。

この正念場が嫌で別れる決意ができないといった人もいますが、ここが正念場。遅かれ早かれ別れるという選択をするなら、さっさと覚悟を決めて正念場を潜り抜けましょう。

姻族関係終了書を検討している人は今後書類など困ることはないか?なども含めて、提出を検討してみてください。

老婆
老婆
姻族関係終了をすると復縁は無理なんだね。
ヒツジさん
ヒツジさん
そうなんです。そのためじっくり検討することが大事です。一時の感情で姻族関係終了を選択するのはリスクもありますのでご注意ください。

親族関係について

死後離婚の希望者で多く見られるのは義理の両親の面倒を見たくないというケース。

婚姻関係が解消すれば家族でなくなりその必要性もなくなります。ただし法事に参加できないあるいは参加しづらい、また近所に住みづらいなんてことも。義理家族の付近に居住している人は引っ越しも踏まえて検討する必要性も出てきます。

義理家族との付き合いは何かと気を使います。自分の親なら気を遣わず本音で接することが出来ても、義理両親となるとなかなかそうはいかないもの。

伴侶との死別は突然襲いかかることもあります。ついさっきまで元気だったのに突然病気で倒れたり、思わぬアクシデントが起きることもあります。人生は思い通りにはいかないもの。アクシデントだらけといっても過言ではありません。

配偶者が急死したときは覚悟を持って行動しなくてはならないことも。姻族関係終了について強い反対にあう可能性もありますし、またつらい視線にさらされることもあります。

老婆
老婆
死後離婚を選択する人は義理家族の関係というのは理解できるよ。私もその点は悩みの種です。ただ子供たちとの接触はどうなるのかね?
ヒツジさん
ヒツジさん
子供たちとの行き来は本人同士になるでしょうね。戸籍上で親戚ではなくなっても、もともとは親戚ですし関わりが出ることもあるかと思います。

お墓は別

「配偶者と同じお墓に入りたくない」という人は実はけっこう多く、特に女性はそうした考えの人が少なくありません。死後は両親が眠るお墓に入りたいからという理由の人もいます。

配偶者が生きているうちから「死後はお墓は別」と約束している人もいることでしょう。一方、心の中では「死んだら絶対に同じお墓に入りたくない」と思っていても配偶者には告げたことがないといった人もいるかと思います。

どちらにしても自分の中では死後に配偶者と同じお墓に入る気はないという強い意志を持っている場合、なんらかしらのアクションが必要に。

その選択肢の1つが死後離婚です。理由はそれぞれですが死後離婚でそうした選択肢も開けてきます。

お墓は別にしたいけれど入る先のお墓がないといった人は合祀専用のお墓を検討するのもおすすめ。最近では永代供養が流行っており合祀専用は維持費も安いことから選択する人も増えつつあります。

お墓の維持費や供養費用など後世の負担がなく金額も10万円程度からで済むケースあり、たいへん手軽なシステム。周りに迷惑をかけたくない人はこの制度を選択するのも良いかと思います。永代供養もいくつも種類があるので予算と相談して選択することをおすすめします。

老婆
老婆
お墓を別にしたいという理由で死後離婚を選ぶ人もいるんだね。参考になるよ。
ヒツジさん
ヒツジさん
とにかく縁を切りたいと思っている人もけっこう多いようです。お墓についてもこだわっている人は少なくありません。

まとめ

死後離婚は遺族年金を継続して受け取ることが可能であり、婚姻先の親戚と疎遠にする手段として今後ますます浸透していくことが予想されます。

選択肢については自由ですが、周囲の反対にあう可能性もあるので周囲に告げずに姻族関係終了届を提出するケースも。

姻族関係終了したい人はメリットが多い制度となっています。姻族関係終了後は姻族家族との接触を避けるために引っ越しを検討する必要があるかもしれません。少なからず行動できるよう資金は用意しておきたいところ。引っ越しや賃貸など費用がかさみます。

これらの資金準備が思うようでないと引っ越しが難しかったり、行動しづらいケースもあるかもしれません。住居については姻族関係終了の届を出す前に市役所に相談するなど、あらかじめ準備しておきましょう。

極端な話すべて準備してから姻族関係終了を行うとスマートです。姻族関係終了を行う人はなんらかの事情があるケースが多いためトラブルを回避するべき準備はきちんとしたいところ。

トラブルに対しても太刀打ちできるよう、あらかじめ用意しておくといいでしょう。人生は1度きりです。自分の選択に自信をもって笑顔で過ごしましょう。