「祥月命日に行われる年忌法要ってなに?」
「身内の一周忌で祥月命日は何をしたらいいかわからない」
「お布施はどれくらいの額がふさわしいのか知りたい」
ひょっとしたら、あなたもそんな疑問をお持ちではないですか?人生のうちでなんども体験するわけではない祥月命日。わからないことだらけですよね。
今回、引き出物から会食、お墓参り、法要まで祥月命日にすべきことやお布施の金額など、祥月命日について知っておきたいことをわかりやすくまとめました。
祥月命日で何をしてよいのかわからない‥とお悩みでしたら、ぜひ参考になさってくださいね。
もくじ
祥月命日とは何なのか
祥月(しょうつき)命日とは、故人が亡くなった「月日」のことを指します。たとえば、2018年の12月15日に亡くなった方の祥月命日は、2019年の12月15日です。
祥月命日と混同しやすいのが、月命日です。月命日は、故人が亡くなった「日だけ」を指します。たとえば、2018年12月15日に亡くなった方の月命日は、毎月15日となります。
祥月命日とは何をするのか?
- 月忌法要と比べて規模の大きい「年忌法要」を行う
- お墓参りをする
- お供え物をして供養する
- 会食をする
とくに祥月命日のメインの行事は、この「年忌法要」です。年忌法要は決まった年に一度だけ行われますが、毎年行われるわけではありません。
- 亡くなった1年後の一周忌
- 亡くなった2年目の三回忌(2年目以降は「かぞえ」で数える)
- 亡くなった6年後の七回忌
- 亡くなった12年後の十三回忌
- 亡くなった16年後の十七回忌
- 亡くなった22年後の二十三回忌
- 亡くなった26年後の二十七回忌
- 亡くなった32年後の三十三回忌
一周忌を除いて、三と七のつく年に行われます。このように、毎年年忌法要が行われるわけではないのです。また、三十三回忌をもって、毎年の法事を終了する「弔い上げ」とする場合があります。
ちなみに○回忌というのは数え年で行いますので、一回忌というのは無くなった年、つまりお葬式(葬儀のお勤め)の事を言います。
祥月命日の年忌法要の概要と流れ
祥月命日の年忌法要とは、亡くなった方の供養のために行う仏事です。
- 法事の準備をする
- お坊さんやお寺の住職を招き、お経をあげてもらう
- お経が終わり次第、参列者が焼香をする
- 焼香後は、お墓参りをする
- 法要自体が終わり次第、会食を行う
法要と法事の違いについて、法要はこの年忌法要としてお坊さんにお経をあげてもらう行事のみを指し、法事はその年忌法要に加えて会食などを含めた行事全体を指します。
- 年忌法要の準備【遺族側のみ】
- 年忌法要当日の服装
- 焼香の手順
- お墓参りの手順
- 会食のマナー
これら5つのポイントについてご説明します。
年忌法要と法事の準備【遺族側のみ】
- 日程と場所を決める
- 会食を予約する/招待客の人数を把握する
- 引き出物を決める
それではご説明します。
年忌法要と法事の日程と場所を決める
年忌法要と法事の日程と場所は2か月前には決めておきましょう。
法要の日程は、基本的には祥月命日に行います。しかし、招待したい方々の都合が合わず、どうしても祥月命日当日に法要ができない場合があります。
招待客が集まれない場合は、祥月命日より早めの休日など集まりやすい日を選びます。
- お寺
- 斎場
- 自宅
いずれにしても、本尊がなければ法要はできません。
お寺の場合は本堂などで法要を行います。親戚や住職らへのもてなしは遺族が担当します。
斎場を借りる場合は、会食と引き出物、接待もすべて斎場にお願いすることができます。その代わりにコストが高いです。すべて自宅で行う場合は、お寺や斎場で行わない分、コストが低いと考えて良いでしょう。
日程と場所が決まったら、お寺の住職または斎場に連絡しましょう。
法事の会食を予約する/招待客の人数を把握する
会食を予定する際は、2か月前には招待客の人数を概算で算出しておきます。その後、会食を行う場所を選びます
- 斎場
- 会館
- レストラン
- ホテル
招待客の人数ですが、誰を招待するのか記録しておく、招待リストを作っておいた方が招待客の情報を整理しやすいでしょう。
招待リストを作るにあたり、最初に招待する範囲を「親族なのか」「身内全体なのか」決めておきます。招待する範囲に沿って、名前を追加していきます。
招待リストが完成したら、その中から会食の際に献杯をお願いできる方を探し、打診します。案内状を作り、招待リストをもとに送付します。
この際、送付は必ず年忌法要を行う1か月前~2か月前に送りましょう。年忌法要2週間~3週間前に案内状を送ると、欠席の返事が年忌法要ギリギリになってしまうためです。
年忌法要の出欠が確認出来たら、お寺や斎場に以下4点の報告と確認をしておきます。
- 最終人数
- 料理/引き物の数
- 席順
- 移動方法
移動方法については、遺族側で自宅やバスを借りるのか、送迎バスを手配してもらえるのかお寺や斎場側に確認しておきます。
引き出物を決める
引き出物は、招待した方々が持参するお供え物に対しての返礼品です。自宅、お寺で年忌法要を行う場合は、年忌法要の2か月前には引き出物を決めておきましょう。
斎場で年忌法要を行う場合は、斎場側で引き出物を手配してくれることもあるため、確認はしておきましょう。
引き出物を自分で選ぶ際の引き出物の選定基準は、持ち帰る際にかさばらず、日持ちするものを選びます。なぜなら、遠方から来る方、ご高齢の方もいるためです。
重いものや大きいものを持ち帰ることが困難な可能性が高いため、「軽くて小さい」「かさばらない」を意識するようにしましょう。
- 海苔
- 椎茸
- コーヒー
- お茶
- 調味料
- タオル
- 洗剤
これらの日用品、食品は軽くて持ち運びやすいため、引き出物として選ばれる傾向があります。また、引き出物の相場は、3,000円~5,000円となっています。
年忌法要当日の服装
年忌法要当日の服装は、マナーとして重要なポイントです。
- ブラックスーツ
- 白のワイシャル
- 黒のネクタイ
- 黒のベルト
- 黒の靴下
- 黒の靴
- 光るもの、革製のアクセサリーはNG
- 黒のスーツ/黒の長袖ワンピース
- 黒のパンプス
- 黒のストッキング
- 黒のバッグ
- 露出は控えめ
- 光るもの、革製のアクセサリーはNG
10代前半くらいまでの子供は、次のような服装がおすすめです。
- 制服/ブレザー
- 白のワイシャツ
- 黒のズボン
- 黒い靴
- 黒のブレザー
- 黒のスカート
- 白いブラウス
- 黒い靴
年忌法要当日には上記のような服装で参列しましょう。
焼香の手順
- 椅子に座り、順番が来たら祭壇まで歩き、一礼をして、焼香を行う「立礼焼香」
- 座布団の上に正座し、順番が来たら腰を落としながら移動し、焼香を行う「座礼焼香」
- 座布団の上に正座し、焼香炉を回す「回し焼香」
3種類ありますが、基本的な動作は変わりません。
焼香では、右手の親指と人差し指、中指の3つで抹香(まっこう)をつまみ、目の高さまで持ち上げます。指をこすりながら、焼香炉の中に抹香を落とします。
焼香の基本的な流れは、このような流れですが、宗派によっては例外があるので事前に施主(遺族側で年忌法要をつとめる方)、お坊さんに確認しておきましょう。
- 順番がきたら、席から祭壇へと進み、遺族に一礼する
- 焼香台の手前まで歩いて、祭壇を見て一礼する
- 焼香を行う
- 遺影に向かって合掌し、一礼する
- 遺影の方を向いたまま2,3歩下がって遺族に一礼し、席に戻る
- 順番がきたら、腰を落としたまま移動し、焼香台前で正座して、遺族に一礼する
- 仏壇または祭壇の遺影に向かって一礼する
- 立ち上がらずに膝で歩き焼香台に近づき合掌する
- 焼香を行い、合掌をする
- 仏壇または祭壇の前から下がり、遺族に一礼してから腰を落としたまま戻る
- 焼香炉が回ってくるので、軽く礼をしてから受け取る
- 仏壇または祭壇に向かって合掌する
- 焼香を行う
- 合掌して一礼する
- 次の人に焼香炉を回す
お墓参りの手順
- 生け花
- 線香
- お供え用のお菓子、飲み物など
- お供え物などを置くための半紙
- 数珠
- 風よけ付きライター
- 花ばさみ
- たわし、ほうきなどの掃除用具
- ひしゃくと手桶(寺院や霊園に備えられていない場合がある)
- ゴミ袋
- 手桶に水を汲み、お墓に持っていく
- 礼拝をしてから、お墓を掃除する
- 花立に水を入れ、花ばさみでバランスを整える
- お供え物を半紙のうえにおく
- 線香を点火したら、マナー上、火は手であおいで消す
- 線香は、線香皿に置くか、香炉に立てる
- 故人と縁の深い順に合掌をする
- 線香を消さないように注意して墓石に水をかける
- 墓石に向かって合掌する
- 合掌の際は、手に数珠をかけて、胸の前で左右の掌を合わせる
- 目を閉じて、頭を軽く傾ける
- 冥福を祈り、感謝の気持ち、報告したいことを心の中で唱える
- 全員の合掌が済んだらお墓参り終了となる
お墓参りが終わったら、カラスなどに食い散らかされないように、食べ物のお供え物を回収します。
会食のマナー
年忌法要が終了したら、会食として遺族側が参列された方に対して食事を出します。この会食は、「お斎き(おとき)」「粗餐(そさん)」「粗宴(そえん)」とも呼ばれます。会食の場所を設けない場合は、マナーとしてお弁当やお酒を渡す場合が多いです。
- お寺の大広間
- 飲食店/レストラン
- ホテルの宴会場
- 自宅
自宅以外のレストランなどで会食を行う際は、予約の際に「法事で使う」と述べておきましょう。なぜなら、法事ではタブーな献立や食材があるためです。
- タブー1:松竹梅の飾りつけ
- タブー2:梅を使った料理
- タブー3:金粉または金箔
- タブー4:伊勢海老や鯛などの祝い事に使われる食材
- タブー5:紅白になるような色使い
このような食材や献立は法事ではタブーとされています。
ですので、法事で会食のレストランを利用する場合は、必ず「法事で使う」と連絡しておきましょう。なお、会食の相場は、5,000~15,000円となっています。
食事の際のマナー
席順は、お坊さんが会食に出席するか否かで変わります。
- 最上座:お坊さん
- 上座:遺族の施主(遺族側で年忌法要をつとめる方)
- 上座と下座の間:参列者
- 下座:施主以外の遺族
- 上座:参列者
- 下座:遺族
お坊さんの出欠に関わらず、参列者には順番を決めていないとして「順不同」と伝えると公平性が保たれて無難でしょう。
会食後は、用意しておいた引き出物を渡します。上座に座っている人から順に、施主が手渡しで引き出物を渡していきます。人数が多い場合は配るのが大変なので、会食前に引き出物を席にセットしておくこともできます。
あらかじめ引き出物をセットしておく場合は、必ず会食後にお持ち帰りをお願いするあいさつを伝えましょう。
お布施の相場はいくらなのか
お布施は、お坊さんにお経をあげてもらった謝礼です。お布施は、15万円~50万円といった額をお渡しする例が多いです。また、お布施は自分が包める金額で相談しましょう。
読経はお坊さんの慈善的な意味合いが強く、サービスではないため対価としての支払いは強制はされません。ゆえに、「気持ち」として渡す場合が多く、相場と呼ばれるものが存在しません。
これは、過去にはお布施の統一価格表として「料金」を公表したとして物議を醸したことからも明らかです。
- 地域
- お寺の方針
- お寺との付き合い
つまり、次のことがいえますね。
- お布施はあくまで気持ちだから金額が決まっていない
- お寺によって変わる
ゆえに、お布施は自分が包める金額で相談しましょう。また、お寺の目安は、あらかしめ聞いておきましょう。
まとめ
祥月命日は、故人が亡くなった「月日」のことを指します。
- 法事の準備をする
- お坊さんやお寺の住職を招き、お経をあげてもらう
- お経が終わり次第、参列者が焼香をする
- 焼香後は、お墓参りをする場合が多い
- 法要自体が終わり次第、会食を行う
- ポイント1:年忌法要の準備【遺族側のみ】
- ポイント2:年忌法要当日の服装
- ポイント3:焼香の手順
- ポイント4:お墓参りの手順
- ポイント5:会食のマナー
祥月命日の年忌法要に加えて、お布施の金額が15万円~50万円ということもふまえておきましょう。