喪主の挨拶は、立派なスピーチをする場ではありません。まずは参列へのお礼を一言伝えれば十分です。通夜、告別式、家族葬のうち、実際に挨拶する場面は葬儀の進行によって異なります。式の前に葬儀社へ「いつ、誰が話すか」を確認しましょう。
急いでいる方へ:通夜・告別式なら下の短い例文をそのまま読み、故人との続柄と名前だけ替えてください。言葉が出ないときは、家族による代読や司会者からのお礼の案内も葬儀社に相談できます。
まず決めることは「場面・話す人・伝える内容」
| 場面 | 伝えること | 事前に確かめること |
|---|---|---|
| 通夜の終わり | 参列へのお礼。食事や翌日の案内は必要な場合だけ | 挨拶の有無、通夜振る舞いと翌日の予定 |
| 告別式・出棺前 | 参列と、生前お世話になったことへのお礼 | マイクの位置、立つ場所、話すタイミング |
| 家族葬 | 親しい方への短いお礼 | 全体への挨拶をするか、個別に伝えるか |
地域や葬儀の形式によって進行は違います。通夜振る舞いや精進落としがなければ、その案内を原稿に入れる必要はありません。式中に二度挨拶する場合も、同じ話を長く繰り返さず、場面ごとのお礼だけに絞れます。
そのまま使える短い喪主挨拶の例文
以下はこのサイトで作成した文例です。故人との続柄、名前、実際に行う予定だけを書き換えてください。読む時間は話す速さによって変わるため、目安として使いましょう。
通夜の終わり:約30秒
本日は、父〇〇の通夜にお越しいただき、ありがとうございます。
生前お世話になりましたことにも、家族を代表してお礼申し上げます。
明日の葬儀・告別式は、午前〇時からこの会場で行います。
本日はありがとうございました。
翌日の式を参列者に案内しない場合は、その一文を削ります。通夜振る舞いがあるなら、最後に「別室に食事を用意しております。お時間のある方はお立ち寄りください」と添えます。会場や時刻は、必ず葬儀社と確認してください。
告別式・出棺前:約30秒
故人の長女〇〇です。
本日は、母〇〇の葬儀にお越しいただき、ありがとうございました。
生前、母に寄せていただいた温かいお気持ちに、家族一同、心より感謝申し上げます。
これからも母を思い出していただけましたら幸いです。本日はありがとうございました。
故人の人柄を一言添える:約1分
故人の息子〇〇です。本日は、父〇〇をお見送りいただき、ありがとうございます。
父は散歩の途中で出会った人と話すのが好きで、家に帰るとその日の出来事をよく聞かせてくれました。皆さまとの時間も、父にとって大切なものだったと思います。
生前のご厚情に、家族を代表してお礼申し上げます。これからも時折、父のことを思い出していただければ幸いです。本日はありがとうございました。
思い出を添えるのは任意です。病名、亡くなった経緯、家庭の事情を話す必要はありません。本人や家族が公にしたくないことは原稿から外しましょう。
家族葬で親しい方だけに伝える
今日は〇〇を一緒に見送ってくださり、ありがとうございました。皆さんに来ていただき、私たち家族も心強く感じています。生前お世話になりましたことを、心よりお礼申し上げます。
ごく近しい人だけなら、全体に向けた挨拶を設けず、一人ずつお礼を伝える形もあります。式場の進行と家族の希望を相談して決めましょう。
喪主本人が話せないときは、代読や進行の調整を相談
高齢、体調不良、強い悲しみなどで、喪主本人が長く話せないこともあります。喪主だけが必ず全てを話さなければならないわけではありません。家族が「喪主に代わりまして」と前置きして読む、司会者にお礼を案内してもらう、全体挨拶を短くして個別にお礼を伝えるなどの方法を、葬儀社と事前に相談できます。
司会者がどこまで代読できるかは葬儀社や式の進行によります。喪主本人の気持ちを確かめ、原稿を渡す相手、立ち位置、合図を決めておくと当日慌てずに済みます。
原稿を用意するときの小さな確認
- 一文を短くし、大きめの字で印刷する。紙は一枚か、めくりやすい枚数にする
- 故人の名前と続柄、会場・時刻が事実と合っているか確認する
- ゆっくり声に出して読み、長ければ思い出の部分から削る
- 宗教・地域ごとの言葉遣いは、司会者や葬儀社に確認する
- 家族に代読を頼む場合は、本人の同意と原稿の最終版を共有する
葬儀では「重ね重ね」「たびたび」などの重ね言葉を避ける習慣があります。ただ、言葉を一つ間違えないことより、無理のない長さで感謝を伝えることが大切です。分からない表現は平易な言葉に替えましょう。
よくある疑問
暗記しなければ失礼ですか?
いいえ。原稿やメモを見ながら話せます。緊張するなら、冒頭と最後の一文だけ大きく書いておく方法もあります。
通夜と告別式で同じことを言ってもいいですか?
参列者へのお礼は両方で伝えてかまいません。通夜では翌日の案内、告別式では生前のお礼とお見送りの言葉など、必要な部分だけ変えれば十分です。
喪主挨拶と弔辞は同じものですか?
異なります。喪主挨拶は遺族の代表として参列者へお礼を伝えるもの。弔辞は友人や親族などが故人へ語りかける言葉です。弔辞を頼まれた方は、下の関連記事を参照してください。
参考にした情報
葬儀社の案内を確認した日:2026年9月25日。挨拶の有無や代読は各葬儀の進行によって異なるため、実際の担当者に確認してください。
関連記事
式の準備中なら通夜の流れを、参列者として故人に言葉を贈るなら弔辞の文例をご覧ください。



