「お墓の相場の考え方がわからない」「関東や関西など地域によってお墓の相場は変わるの?」
あなたもこのようなお悩みをお持ちではないでしょうか。お墓の相場はよく聞くけれど、関東や関西など地域によってお墓の相場が変わることってなかなか知らないですよね。
そこで、この記事では次の2点を紹介します。
- お墓の相場の考え方
- 関東と関西では本当にお墓の相場が変わるのか
この2点をしっかり押さえていきましょう。
もくじ
お墓の相場の考え方
お墓を建てる時の全国的な相場は150万円?250万円といわれています。いきなり150円?250万円といわれても、どのような料金が含まれているか気になりますよね。
そこで、関東と関西のお墓の相場を知る前に、お墓の費用の内訳を見ていきましょう。お墓の相場は次の足し算で考えます。
「お墓の相場」=「永代使用料」+「墓石に関する工事費」
このままだと少し難しいので、より簡単にすると次のようになりますよ。
「お墓の相場」=「お墓の土地代」+「お墓を建てる際にかかるお金」
お墓の相場は上記のような考え方で計算されていることをふまえましょう。
また、お墓購入後はお墓を維持するための「管理費」も発生します。管理費は。お墓を管理する霊園やお寺によって大きく異なりますが目安は存在します。
お墓の相場を考えるうえで、お墓を建てる地域の相場を調べることが重要となるのです。そこで、
- 永代使用料:お墓の土地代
- 墓石の工事費:お墓を建てる際にかかるお金
- 管理費:お墓を維持するために必要なお金
これらの要素を1つずつ詳しく解説していきます。
全国相場も紹介するので、全国相場を見ながらお墓を購入して管理するのにはどのくらいお金がかかるのかを見ていきましょう。
永代使用料は土地代
永代使用料は「お墓を建てる土地を使う権利を永代に渡り取得するための料金」です。要するに、「お墓の土地代」ですね。この永代使用料の全国相場は60万円?80万円といわれています。
また、永代使用料は霊園や墓地に支払います。永代使用料は初期費用ですので、霊園や墓地への支払いは一度だけです。
永代使用料は継承者がいる限り支払う
「永代」とありますが、この先永久にお金を支払うということではありません。この「永代」とは、親族にお墓の承継者がいる限り、期限を定めずに土地を使用できるという意味です。つまり、お墓の承継者がいなくなってしまうと、お墓の永代使用の権利は取り消されます。
永代使用が認められなくなったお墓は「無縁墓」となり、遺骨は合祀され、お墓は撤去されるのです。したがって、土地代を永久にお金を払い続けるわけではなく、お墓の継承者がいる限り土地代を払うということになります。
永代使用料の詳細
この永代使用料ですが「土地を購入する」感覚を持つかもしれません。しかし、永代使用料は「土地を借りる」ための料金です。そのため、消費税や贈与税がかかりません。
また、永代使用料は一度支払うと返金はできないケースが多いです。霊園・墓地の管理側に永代使用の権利を変換しても、支払った永代使用料は戻ってきません。
永代使用の権利は、永代使用料を支払った本人や親族のみに与えられると考えられています。ゆえに、永代使用の権利は転貸・転売できません。このような点に注意しましょう。
墓石の工事費
お墓を建てるための工事費は大まかに次の3つに分けられます。
- 石材費
- 文字彫刻費
- 工事費用
1つずつ押さえていきましょう。
石材費
お墓を建てる際の石材費の全国相場は100万円~200万円となっています。
石材費はお墓の材料となる「石材」を購入するためのお金です。石材は採石場から切り出された原石を加工(切削・研磨)して、墓地で組み立てられるようにしておく処置が施されます。そのため、石材費が発生するわけですね。
高級石材からリーズナブルな価格の石材まであるため、使用する石材の種類によって価格が大きく変わりますよ。
文字彫刻費
お墓を建てる際の文字彫刻費の全国相場は3万円~5万円です。
石材を切り出して加工しただけでは、完成ではありませんね。石材は文字を彫刻して「墓石」にする必要があります。その彫刻の際にかかる費用が文字彫刻費用です。
工事費用
工事費用の相場は工事の手法やお墓のデザインなどによって大きく変わります。相場はおよそ100万円~400万円の価格帯で変動しますね。お墓の工事とは、石材をお墓の形に仕上げていく段階です。
工事費用は次の2つの費用に分けることができます。
- 基礎工事費、
- 墓石工事費
厳密には耐震工事費用や外枠工事費用、金具の制作費用などもありますが、上記2点が工事費用の大部分を占めるものなので、今回は「基礎工事費」「墓石工事費」のみ紹介します。
基礎工事費
基礎工事費は、お墓を建てる前にお墓を建てるスペースの基礎を作るための費用です。この基礎工事費には、工事にかかる手間賃、材料費(砕石・砂利・川砂・セメント・鉄筋など)、基礎工事で排出された残土の処分費が含まれています。
墓石工事費
石材は採石から彫刻を経て、加工された状態です。ここからよく目にするお墓の状態にするためには、石材を組み立てなければいけません。
墓石工事費用は組み立てのためのお金です。石材を組み立てる際には、耐震や防水加工なども施しますので、そちらも墓石工事費用に含まれます。
管理費
管理費の相場は年間千円~1万5千円です。お墓を建てると必ず霊園やお寺に支払う管理費が発生します。管理費はあなたが建てたお墓の管理にあてられるだけではなく、霊園やお寺の運営資金となるのです。
この管理費は例えば、次のような資金として用いられます。
- 霊園やお寺を清潔に維持するための清掃作業費用
- お墓を洗うための水を汲む水道の水道代
- そのほかの設備のメンテナンス費用
このように墓地の運営のために使用されていることがわかりますね。「お墓の相場」とは関係ありませんが、「お墓の管理費の相場」を知り、お墓購入後の将来を考えることは大切です。
ここまで紹介したお墓にかかるお値段と相場を整理すると次のようになります。
項目 | 相場や目安 | ||
---|---|---|---|
お墓購入時 | 永代使用料 | 60万円~80万円 | |
墓石の工事費 | 石材費 | 100万円~200万円 | |
文字彫刻費 | 3万円~5万円 | ||
工事費用 | 100万円~400万円 | ||
お墓を建てる際の費用の合計(相場) | 150万円~250万円 | ||
お墓購入後 | 管理費 | 年間千円~1万5千円 |
お墓を建てるにはこれだけの費用が掛かるのです。
地域によってお墓の相場が変わる
さて「関東と関西では本当にお墓の相場が変わるのか」ということでした。結論からいえば、関東と関西ではお墓の相場は変わります。
まずは以下の表をご覧ください。
お墓の相場(永代使用料+墓石の工事費) | ||
---|---|---|
関東(一部) | 東京都 | 約217万円 |
千葉県 | 約229万円 | |
埼玉県 | 約181万円 | |
関西(一部) | 大阪府 | 約197万円 |
京都府 | 約232万円 | |
兵庫県 | 約178万円 |
このように地域によってお墓の相場が異なることが分かります。
さらに、お墓の相場は、東日本では約203万円、西日本では約197万円というデータがあります。このことから、関東と関西を比べると関西の方がお墓の相場が安いという可能性が高いです。
関東と関西ではなく、東日本と西日本とくくりが大きいですが、たしかに地域によってお墓の相場に違いが出ることがわかりました。
このように地域によってお墓の相場が異なる理由は次の3つです。
- 地域によって流行の石材が異なるため
- 地域によって使用する石材の量が異なるため
- 地域によって流行のデザインが異なるため
これら3つを理由に地域ごとにお墓の値段は異なります。
地域によって流行の石材が異なるため
石材には種類があり、地域によって流行の石材の種類は異なります。例えば、地域で流行の石材が安価な外国産の石材の場合、その地域のお墓の相場価格は下がりますよね。このようにして、地域ごとに相場が変わってきます。
現在、日本で墓石に用いられる主流の石材は「御影石」です。この御影石には次のような種類があります。
- 黒御影石
- 白御影石
- 桜御影石
- 青御影石
地域によって流行の石材が異なり、場所によっては安価な中国産やインド産の御影石が流行の地域もあるのです。次の産出国別の御影石の相場をご覧ください。
産出国 | 御影石の相場 | 産出国別の御影石の特徴 |
---|---|---|
日本産(国産) | 100万円~200万円 | 耐久性能が高く、風化しにくい。 希少価値が高い。 |
中国産 | 50万円~80万円 | 安価ながらも日本の高級御影石に そっくりなものが多く、人気がある。 |
インド産 | 30万円~60万円 | 硬度が高い。色合いが豊かなものが多くデザイン墓に おすすめの石材。十分に研磨すると光沢が出る。 |
このように外国産の御影石は安い傾向があることがわかりますね。
ゆえに、安価な外国産の黒御影石が流行の地域はお墓の相場価格が低くなります。このようにして、関西や関東で相場の違いが生まれてくるのです。
地域によって使用する石材の量が異なるため
お墓の大きさによって使用する石材の量が変わります。大型のお墓が流行の地域では、お墓を建てるために使用する石材の量は増えますよね。
石材の量が増えれば、石材の費用も高くなります。地域ごとにお墓の大きさが異なると使用する石材の量も異なるため、お墓の相場も変わるのです。
地域によって流行のデザインが異なるため
地域によって流行のデザインは異なります。お墓のデザインは大きく分けると2つのデザインがあり、海外のお墓をモデルとした「洋型墓石」と日本の伝統的な「和型墓石」です。
和型墓石は使用する石材の量が増え、石材の費用が高くなり、洋型墓石は作りがシンプルであるため、石材の費用が安くなります。
デザインと相場については以下の表をご覧ください。
デザイン | デザイン別相場 | デザインの特徴 |
---|---|---|
和型墓石 | 50万円~100万円 | 日本の伝統的なお墓の形。彫刻が掘られ、 重厚感のある作りとなっている。 |
洋型墓石 | 50万円~70万円 | 形や彫刻に規定はない。 シンプルで自由なデザインが魅力の墓石。 |
デザイン墓石 | 60万円~80万円 | 洋型墓石に個性的なデザインを施した墓石。 使用される石材は主に安価で色合いの豊かな 外国産の石材が用いられる。 |
このデザインは地域によって好みが異なり、使用する石材の量が変わるため、地域ごとにお墓の相場が異なる原因となるのです。
まとめ
次のような値段でお墓を建てて、維持することができます。
お墓を建てる際の費用の合計(相場) | 150万円~250万円 |
---|---|
管理費 | 年間千円~1万5千円 |
ただ、これらの相場は全国相場です。地方によってお墓の相場は異なります。
さらに、お墓の相場は「関東よりも関西の方が比較的に安い」ということがわかりました。ただし、厳密にいうとお墓は「関西だから絶対に安い」「関東だから絶対に高い」というわけではありません。
なぜなら、お墓の流行はそうした地方単位ではなく、都道府県単位で変わるためです。ゆえに、あなたがお住まいの地域、またはお墓を建てる地域の流行を見ながら、その地域にぴったりであなたが妥協できるお墓を購入するのが一番です。