家族が危篤を告げられたとき、多くの人は強い不安と動揺の中で、連絡、看取り、死亡届、葬儀社への依頼、通夜の準備を進めることになります。
「誰に連絡するべきか」「延命治療についてどう考えるか」「亡くなった後は何から始めるのか」など、短い時間で判断しなければならないことが続きます。
この記事では、危篤から臨終、安置、納棺、死亡届、通夜までの流れを、家族が落ち着いて確認できるように整理します。
危篤とは?まず家族がすること
危篤とは、病状が重く、回復が難しいと医師が判断した状態を指します。危篤を告げられたら、まず医師や看護師から現在の状態、今後の見通し、面会可能な範囲を確認しましょう。
そのうえで、連絡すべき人を整理します。
- 配偶者、子ども、親、兄弟姉妹
- 同居していない近親者
- 本人が会いたがっていた人
- 葬儀や菩提寺の手配を一緒に相談する人
高齢の親族、妊娠中の方、病気療養中の方に連絡する場合は、伝え方や移動の負担にも配慮します。連絡を迷う場合は、まず近い親族同士で相談しましょう。
延命治療や最期の医療について確認する
危篤の場面では、延命治療や最期の医療について判断を求められることがあります。本人の意思がはっきりしている場合は、その意思を尊重することが大切です。
厚生労働省は、人生の最終段階で受けたい医療やケアについて、本人と家族、医療・ケアチームが繰り返し話し合う「人生会議」を紹介しています。
終活では、次のことを家族に伝えておくと、いざという時の判断の助けになります。
- 延命治療をどこまで希望するか
- 最期を迎えたい場所
- 会いたい人、連絡してほしい人
- 宗教者に来てもらいたいか
- 臓器提供、献体についての意思
医療上の判断は、主治医や医療チームと相談して行います。本人の意思が不明な場合は、家族だけで抱え込まず、医師に状況を確認しながら話し合いましょう。
臨終後に受け取る死亡診断書
医師が死亡を確認すると、死亡診断書が作成されます。事故や突然死などで死因が分からない場合は、死体検案書が作成されることもあります。
死亡診断書は、死亡届と一体になっている用紙であることが多く、火葬許可を受けるためにも必要です。紛失しないよう、大切に保管しましょう。
病院では、清拭、着替え、エンゼルケアなどを行う場合があります。処置の内容や、家族が立ち会える範囲は病院によって異なります。
病院からの搬送と安置場所を決める
病院で亡くなった場合、霊安室に長時間安置できないことが多いため、比較的早く搬送先を決める必要があります。
主な安置場所は次の通りです。
- 自宅
- 葬儀社の安置施設
- 斎場や寺院の安置施設
葬儀社をすでに決めている場合は、搬送を依頼します。決めていない場合は、病院から紹介される業者にそのまま葬儀まで依頼しなければならないわけではありません。搬送だけを依頼できるか、費用はいくらか、葬儀契約は別に考えられるか確認しましょう。
国民生活センターは、葬儀サービスの料金や契約内容をめぐる相談について注意喚起しています。悲しみの中でも、見積りや追加費用の説明は確認するようにしましょう。
末期の水・湯灌・納棺は必ず必要?
昔ながらの葬送習慣には、末期の水、湯灌、死装束、守り刀、枕飾りなどがあります。これらは地域や宗派、家の考え方によって行う内容が異なります。
たとえば、末期の水は、臨終後に故人の唇を水で湿らせる儀式です。湯灌は故人の体を清める儀式で、現在は葬儀社の専門スタッフが行うこともあります。
ただし、これらをすべて行わなければならないわけではありません。病院での処置、宗派、家族の希望、予算に応じて選びます。
- 家族で簡単に末期の水を行う
- 病院のエンゼルケアのみで整える
- 葬儀社の湯灌サービスを利用する
- 故人が好きだった服を着せる
- 宗派や地域の慣習に合わせる
死亡届と火葬許可証の手続き
死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に、市区町村役場へ提出します。提出先は、亡くなった場所、本籍地、届出人の所在地の市区町村です。
死亡届が受理されると、火葬許可証が交付されます。火葬には火葬許可証が必要です。多くの場合、葬儀社が手続きを代行またはサポートしてくれますが、家族も流れを知っておきましょう。
喪主と葬儀の形式を決める
死亡後は、喪主を決める必要があります。一般的には配偶者、子ども、親族の中から、故人に最も近い人や葬儀を取りまとめられる人が務めます。
喪主が一人ですべてを抱える必要はありません。親族の中で、葬儀社との打ち合わせ、費用確認、参列者への連絡、受付準備などを分担すると負担を減らせます。
葬儀形式は、主に次のようなものがあります。
- 一般葬: 親族以外の参列者も広く招く
- 家族葬: 親族や親しい人を中心に行う
- 一日葬: 通夜を行わず、葬儀・告別式のみ行う
- 直葬・火葬式: 儀式を簡略化して火葬を中心に行う
- 無宗教葬: 宗教儀礼にこだわらず行う
どの形式を選ぶ場合も、菩提寺やお墓がある人は、納骨や今後の法要に影響しないか確認しておきましょう。
通夜までに決めること
通夜を行う場合、短時間で多くのことを決めます。葬儀社に任せる部分も多いですが、家族の希望や予算は伝える必要があります。
- 通夜と葬儀の日程
- 会場
- 参列者の範囲
- 遺影写真
- 祭壇や花の規模
- 通夜ぶるまい、返礼品、会葬礼状
- 供花や供物の受付
- 僧侶への連絡、戒名の相談
- 喪主挨拶
費用については、希望する内容がすべて見積りに入っているか、追加費用が発生しやすい項目はどこかを確認します。人数が読めない場合は、料理や返礼品の予備数についても相談しておきましょう。
銀行口座や葬儀費用も確認しておく
亡くなった後、金融機関が死亡を知ると、原則として口座は凍結されます。葬儀費用をどこから支払うかは、家族にとって現実的な問題です。
相続人は一定の範囲で預貯金の払戻し制度を利用できることがありますが、手続きには時間がかかる場合があります。終活では、葬儀費用の目安、使ってよい預金、家族が確認できる書類を残しておくと安心です。
死亡後の口座凍結や相続手続きについては、マネーライフハックの記事も参考になります。
終活で家族に残しておきたいメモ
危篤から通夜までの混乱を減らすには、生前のメモが役立ちます。エンディングノートなどに次のことを書いておきましょう。
- 緊急時に連絡してほしい人
- 延命治療や最期の医療についての希望
- 葬儀の形式、宗派、菩提寺
- 葬儀社を決めている場合の連絡先
- 遺影に使ってほしい写真
- 葬儀費用の予算と支払いに使えるお金
- 臓器提供や献体についての意思
- 通夜や葬儀に呼んでほしい人
医療や葬儀の希望は、一度書いたら終わりではありません。家族構成、病状、考え方が変わることもあるため、定期的に見直すことが大切です。
まとめ 危篤から通夜までは流れを知っておくことが備えになる
危篤から臨終、納棺、通夜までの流れを解説しました。
- 危篤時は、医師に状況を確認し、連絡すべき人を整理する
- 延命治療や最期の医療は、本人の意思と医療チームの説明をもとに考える
- 臨終後は死亡診断書を受け取り、安置場所を決める
- 死亡届を提出し、火葬許可証を受ける必要がある
- 通夜までに喪主、葬儀形式、会場、人数、費用を決める
- 終活では、連絡先、医療の希望、葬儀の希望、費用の準備を家族に残す
家族の最期に向き合う時間は、誰にとっても簡単ではありません。だからこそ、流れを知り、事前に話し合えることは話しておく。これだけでも、残された家族の不安は大きく減らせます。
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危篤後の葬儀準備や費用について、あわせて確認しておくと安心です。


