戒名料を準備するときは、名前だけの金額ではなく、通夜・葬儀の読経などを含めて寺院へ何をお願いするかを先に確認しましょう。インターネットの金額表だけでは、自分の家で必要なお布施は決まりません。
菩提寺があれば、別の僧侶へ依頼する前に連絡します。「葬儀と戒名をお願いしたいのですが、お布施に含まれる内容と、別に準備するものを教えていただけますか」と尋ねると、家族で予算を考えやすくなります。
情報の基準日:2026年10月31日。お布施や受式の案内は、依頼する寺院・宗派の現在の説明を確認してください。
戒名・法名・法号とは?死後だけの名前ではない
戒名は、戒を受けて仏弟子となった人が授かる名前です。曹洞宗の公式FAQでも、信仰の証として住職から授かる名前と説明されています。生前に授かる場合もあり、亡くなった後にだけ付けるものではありません。
宗派によって呼び方や儀式が違います。浄土真宗では「法名」、日蓮宗では正式な呼び名を「法号」としています。浄土宗では、生前に授戒会に参加して戒名を授かることもあります。
- 家の宗派が分からないときは、家族・親族に寺院名を聞き、過去の葬儀の書類や寺院からの案内を確認する。
- 既に生前の戒名・法名を授かっていれば、授与された書面の所在を家族に伝える。
- 希望する文字があれば、自分だけで決定せず、意味や申込方法を寺院へ相談する。
参照:曹洞宗公式FAQ「戒名とは何ですか?」、新纂浄土宗大辞典「戒名」、日蓮宗現代宗教研究所「葬儀の心」
戒名の種類は全国共通の料金ランクではない
一般に戒名と呼ばれる長い名前には、院号・道号・戒名・位号などが含まれる場合があります。浄土宗の辞典では、狭い意味の戒名は位号の上の二文字で、一般には授けられた名前全体を戒名と呼ぶこともあると説明しています。
「信士・信女」「居士・大姉」は位号の例です。院号なども含め、用い方は宗派や寺院で違います。戒名の構成を、すべての宗派に共通する「値段の高低」へ当てはめないでください。
家族の希望を伝えるときは、過去帳や授与された書面などを見ながら、「家族はこのように授かっています。本人の希望や予算も含め、どのように相談すればよいでしょうか」と尋ねましょう。故人の人柄や生前の歩みも伝え、名称の選び方は依頼先と相談します。
戒名料の相場を見る前に、お布施の対象を確かめる
戒名に関するお布施が、葬儀全体のお布施に含まれるか、別に案内されるかは依頼先へ確認が必要です。比較する金額に何が含まれているかが違えば、金額の大小だけでは必要な準備を判断できません。
「家族で通夜・葬儀と戒名をお願いしたいと考えています。初七日のお勤めも同じ日にお願いできますか。お布施に含まれる内容と、お車代など別に準備するものを教えていただけますか」
初七日をいつ行うか、火葬場での読経や後日の四十九日法要を依頼するかは、日程とあわせて相談します。葬儀社から見積書を受け取った場合も、寺院へのお布施がその見積りに入っているか、誰に支払うのかを確認しましょう。
| 確認する項目 | その場で聞くこと |
|---|---|
| 戒名・法名・法号 | どなたへ依頼するか。葬儀のお布施に含むか、別に準備するか。 |
| 読経・法要 | 通夜・葬儀・初七日・火葬場・四十九日のうち、今回依頼するのはどれか。 |
| お車代・御膳料 | 会場への移動や会食の有無を伝え、別に包むものがあるか。 |
| 支払い先・時期 | 寺院へ直接渡すか、紹介事業者へ支払うか。いつ、どの方法で用意するか。 |
| 変更・取消し | 日程や依頼内容が変わった場合の連絡先と、費用の扱い。 |
「お気持ちで」と言われて迷う場合は、家族の予算とお願いしたい内容を伝え、準備方法をもう一度相談してください。再質問の言い方は、お布施の目安をお寺に聞く方法で確認できます。
西本願寺の帰敬式の金額と、葬儀のお布施を混同しない
浄土真宗本願寺派の西本願寺では、帰敬式を受けて法名を授かります。西本願寺での受式冥加金は、2026年4月1日から成人12,000円・未成年6,000円です。改定の告知日は2025年12月19日です。
この金額は西本願寺の帰敬式についての案内で、全国の葬儀の戒名料や、葬儀一式のお布施を示すものではありません。所属寺院などでの受式や、葬儀の依頼は、それぞれの窓口へ確認してください。
法名の内願を希望する場合は、受式希望日の2か月前までに所属寺院の住職から申請し、別途10,000円以上の内願法名懇志が必要と案内されています。希望する文字をその場で選べるとは限らないため、先に所属寺院へ相談しましょう。
参照:西本願寺各種お申込み「帰敬式」、2026年4月1日からの冥加金改定のお知らせ(2026年10月31日確認)。
菩提寺がある場合は、別の依頼先を決める前に相談する
菩提寺は、家の葬儀・法要や先祖のお墓でお世話になっている寺院です。菩提寺がある場合は、葬儀社に僧侶紹介を申し込む前に、葬儀と戒名について連絡しましょう。
遠方で葬儀をする場合も、日程・会場・納骨先を伝えて相談します。曹洞宗の公式FAQでは、菩提寺が遠方の法要について、まず菩提寺に相談し、対応が難しい場合には近くの寺院を紹介してもらえる場合があると案内しています。
- 寺院へ、家の名前、本人または故人の氏名、連絡者と連絡先を伝える。
- 葬儀の予定地、希望日程、納骨予定のお墓を伝える。
- 既に授かった戒名・法名があれば、その書面を示す。
- お願いする儀式、お布施の準備、予算の不安を相談する。
- 葬儀社へ、寺院の連絡先と決まった内容を共有する。
菩提寺へ連絡せず別の僧侶に依頼すると、後日の法要や納骨について改めて調整が必要になる場合があります。既に別の依頼をしていたら、隠さず両方の窓口に伝えて相談してください。
連絡が途絶えている、遠方で事情を伝えにくいときは、菩提寺との連絡・相談の進め方も確認できます。
菩提寺がないとき・戒名を使わない葬儀を考えるとき
付き合いのある寺院が分からない場合は、まず家族・親族へ確認します。菩提寺がなければ、希望する宗派の寺院や葬儀社の紹介窓口へ、葬儀後の法要と納骨先も含めて相談しましょう。
紹介サービスを使うときは、「定額」という表示だけで申し込まず、宗派、担当する僧侶、読経の回数・場所、戒名等の扱い、追加費用、変更・取消しの条件を確認します。後日の法要を同じ寺院へお願いできるか、問い合わせ先が残るかも聞いておきましょう。
無宗教の葬儀などで戒名を用いないことを希望する場合は、葬儀の形式と納骨先の条件を両方確認します。寺院墓地に納骨する予定なら、俗名で葬儀をした後の対応も、契約や利用規則に沿って寺院・墓地管理者へ先に相談してください。
- 相談先が見つからない方は、菩提寺がない場合の葬儀・法要の依頼先へ。
- 宗教儀式を行わない形式を希望する方は、無宗教葬の準備と家族への伝え方へ。
家族に残す、戒名・寺院・予算の確認メモ
まず寺院名と連絡先、既に授かった名前の書面があるかを一緒に確認しましょう。分からない欄は「未確認」とし、確認する人を決めておくと、急なときも連絡の順番が分かります。
| 家族で確認すること | 記入欄 |
|---|---|
| 宗派・寺院名・電話番号 | 宗派:___ 寺院:___ 電話:___ |
| 授与された書面 | あり・なし・未確認/保管場所:___ |
| 本人の希望 | 生前の相談・葬儀での依頼・俗名での葬儀など:___ |
| 葬儀と納骨の希望 | 葬儀の場所:___ 納骨先:___ |
| 寺院へ相談する内容 | 儀式:___ 用意できる予算:___ 別途必要なもの:___ |
| 家族の連絡担当 | 氏名:___ 相談した日:___ 次の確認:___ |
過去に包んだお布施の記録があれば、日付・依頼した儀式・別に渡したお金も添えます。昔の金額を今回の確定額にはせず、現在の依頼内容で相談してください。
急な連絡に備える方は危篤時に家族が確認することを、葬儀の日程が近い方は通夜の準備と連絡の手順を確認してください。
料金の説明に納得できないときの相談先
葬儀や紹介サービスの説明と請求が違うと感じたら、見積書、契約書、案内画面、やり取りの記録をそろえ、依頼した窓口に明細の説明を求めましょう。
国民生活センターは、葬儀社との打ち合わせは複数人で行い、見積書を受け取り明細を確認するよう勧めています。契約や請求のトラブルは、消費者ホットライン188から最寄りの消費生活センター等へ相談できます。宗派の儀式や戒名の意味は寺院へ、事業者との契約・料金の相談は消費生活センター等へ、困っている内容を具体的に伝えてください。
出典:国民生活センター「依然として多い葬儀サービスの料金トラブル」(2026年6月3日公表、2026年10月31日確認)。



