遺産相続や、ご自身のお墓の準備、長年暮らしてきたマイホームまでも処分して、終活もいよいよ大詰めだという方も多いようです。
終活の目的はご自身の最期をきれいに迎えるため。
残された子供や親族、さらにはお世話になった方々に迷惑をかけることの無い終焉を迎えることこそが最大の理由だったのですが、最近では少し違う事情も見え隠れしているようです。
それは、「子どもの将来が気になって死ぬに死ねない」といものです。
中でも、未婚のお子さんを持つ親御さんの焦りは他人では推し量ることの出来ないもののようです。
もくじ
親同士のお見合い“代理婚活”とは、結婚しない時代が訪れる?
一昔前なら40歳男性で未婚の場合、「何か人には言えない問題を抱えているのではないか」「借金などが多く、余程経済的に困窮している?」などと囁かれたものです。
それが30歳を超えた未婚女性になると更に風当たりが強く、あることないことのレッテルを張られ、ご近所さんと顔を合わせる度に気まずい空気になるなんていうことが当たり前にあったようです。
しかし近年では、価値観の多様化の影響でしょうか、男性の4人に1人、女性の7人に1人が一度も結婚しない時代になったようです。
データで見る生涯未婚率とは
社会保障や人口問題などを研究する機関発表のデータを見てみましょう。
1970年代まで遡って生涯未婚率(50歳までに1度も結婚したことがない人の割合)を見てみると、男性・女性ともにおよそ1%台で推移していました。
要するにほとんどの成人男女は結婚を経験しているという事になります。
それが2015年ではどうでしょう。
同年では男性は23.37%・女性で14.06%という数字が出ています。
その要因がライフスタイルの変化によるものなのか、長らく続いた経済不況によるものなのかは定かではありませんが、一方で気になるデータも示されています。
同年の出生動向基本調査に「いつかは結婚したい」と回答した18歳から34歳までの未婚者の割合は、驚くことに男女ともに85%を超えていたのです。
このデータの矛盾が示していることとは、“結婚はしたいが出来ない”という事ですね。
そんな中、本人が動いても結果が出ない、もしくは行動を起こせないという独身の我が子の婚活に熱を上げる親たちが増えているわけです。
・代理婚活に参加する親の思いとは
近年大盛況、代理婚活会が開催されれば、あっという間に定員が埋まるという、その熱意から見えてくる親心は終活の一つという理由からくるものなのでしょうか?
- 結婚適齢期を過ぎた子供の将来が不安
- 孫の顔が見たい
- 自分が元気なうちに子供の役に立ちたい
親たちから出てくる意見はあまりにも直球であることがわかります。自分達が居なくなった後、可愛い我が子が1人になって寂しい思いをするのではないか。
そんな子供を支えてくれるパートナーを見つけることこそが親としての最後の仕事だ。
さらにはその後、かわいい孫を抱っこしたい。
それを見るまでは死んでも死にきれないという、終活と呼ぶには強すぎる、執念というほうが相応しいかも知れません。
・代理婚活会の基本的な流れとは
- 事前に参加者のご子息の職業・学歴・身長と体重などの体形、持家があるかなどの資産状況、さらには年収や転勤の有無までと、実に詳細なデータを提出することになります。
- 基本的には参加者全員の席を一定時間で回ることになりますが、提出された参加者ご子息のデータをもとに、気に入った方の席を再訪して更に踏み込んだ意見を交換することになります。
- 親同士の合意が成立すれば、写真や身上書を交換して持ち帰ることになります。
その後、お互いのご子息が会ってみたいという事になれば初めて当人同士が顔を合わせます。
この代理婚活は当事者が参加していないという側面から、普通の婚活パーティーよりもはるかに現実的でストレートなやり取りが行われるのが特徴です。
代理婚活のメリットとデメリットとは
・代理婚活のメリット
- 聞きにくい事や曖昧にやり過ごすことなく、正確な情報が得られる。
- 強烈にアピールしてもらえる。
- 興味のない相手に時間を割く必要が無く効率がいい。
- ご子息の対面で好印象が得られた際、既に両家の親がが顔見知りだという点。
どうです?代理であるからこその利点が多く見られます。
当事者でないため、聞きにくい事もズバズバ聞いていくのが代理婚活の特徴の一つであり、効率的かつ合理的に話を進めることが出来ます。
また、結婚の障壁の一つである両家の親という問題が初めから取り除かれている所も大きな利点と言えるでしょう。
・代理婚活のデメリット
- 余程条件が良くないと、全く話の時間をもらえない。
- 親同士が意気投合し、望まない相手と結婚話が独り歩きする。
- その逆に親の判断で勝手に断わる。
- 費用を親が出していることもあり、子供が真剣に取り組まない。
代理であるが故に、そこに情はありません。
その為、低収入や低学歴、高年齢や転勤族など、親御さんの理想にそぐわない対象とは一切話をしないという事も珍しくありません。
そこを除けば、大きなデメリットはないように思います。
大切な事は、あくまでご子息のパートナー選びであるという事を優先させることと言えます。
ご子息のための代理婚活が、いつの間にか親の独断で話が進んでいる、あるいは親まかせでご子息の意見が無いなど、本末転倒にならないように注意しましょう。
代理婚活にオススメの結婚相談所や機関
フロンティアインターナショナル『ひまわり交流会』
男性の親御様1名14,800円〜
男性の親御様1名24,600円〜
女性の親御様1名14,800円〜
女性の親御様1名24,600円〜
※東京・その他の地域により料金の変動がります。
※上記の金額は『ひまわり交流会』のみに適用される金額です。
アソウ・マリッジエージェント『親御様の代理婚活サポート』
検索可能な会員数/約60,000人
相談所のタイプ/専任コンシェルジュ
入会初期費用/0円(税抜)
月会費/10,000~20,000円(税抜)
活動サポート費/あり
成婚料/200,000~300,000円
※上記の記載は通常の結婚紹介に関する金額です。
・ツヴァイ/安心のイオングループ
検索可能な会員数/約30,000人
相談所のタイプ/データマッチング型
入会初期費用/105,000~145,000円(税抜)
月会費/9,500~13,800円(税抜)
成婚料/0円
※上記の記載は通常の結婚紹介に関する金額です。
ここに注意!代理婚活トラブル
契約する際には、本人確認書類の提出が必要となります。
ここでいう本人とは、ご子息のことになりますので、必ず本人の了解のもと書類を提出するようにしましょう。
話が進んだ後にご子息が了承していなかったなどという事になると、大変面倒なことになります。また、代理婚活詐欺にも十分注意しましょう。
ほとんどの企業や結婚紹介所はしっかりとした営業を行っていますが、中には多額な入会金や参加費を支払わせる詐欺もあります。
代理婚活に参加される際には、事前にしっかり調べてから参加するように心がけて下さい。
まとめ
ここまで、終活の一つとしての代理婚活を紹介してまいりました。親からすれば、子供はいくつになっても子ども。終活というテーマに関係なく、唯々気になって仕方ないというのが本音でしょうか。
年々増加傾向にある代理婚活。ご子息の考えを尊重しつつ、ご自身最後の大仕事として親子一緒に取り組んでいきましょう。
そうすることで、あなたの安心が得られるならば、最高の終活だと言えるでしょう。