仏壇を引き継ぐ、位牌を作る、葬儀を行う、法要を頼む。こうした場面で、家族から「うちは何宗だったかな?」と聞かれて困ることがあります。
宗派が分からないと、本尊、位牌、仏具の置き方、葬儀の読経、戒名・法名の扱いなどを決めにくくなります。
この記事では、自分の家の宗派を調べる方法、宗派ごとの本尊や仏壇の違い、分からない場合の相談先を終活目線で整理します。
宗派が分からないと何に困る?
普段の生活では宗派を意識しなくても困らないかもしれません。しかし、葬儀や仏壇の継承では、宗派が分からないと次のような場面で迷いやすくなります。
- 葬儀でどの寺院に読経を依頼するか
- 戒名・法名・法号をどうお願いするか
- 仏壇の本尊をどうするか
- 位牌を作るか、法名軸や過去帳を使うか
- 仏具の置き方や日常のお参りの方法
- 墓じまい、仏壇じまいを誰に相談するか
特に菩提寺がある家では、宗派を確認せずに別の僧侶へ依頼すると、納骨や今後の法要で困ることがあります。
家の宗派を調べる方法
宗派を調べるときは、次の順番で確認すると見つけやすくなります。
1. 親族に聞く
まずは、親、兄弟姉妹、叔父叔母、いとこなどに聞いてみましょう。特に過去に葬儀や法要を手配した人は、菩提寺や宗派を把握していることがあります。
2. 菩提寺や墓地を確認する
先祖代々のお墓がある場合は、墓地を管理している寺院や霊園に確認します。寺院の名前が分かれば、宗派を調べられることが多いです。
3. 位牌・過去帳・法名軸を見る
仏壇の中に位牌、過去帳、法名軸、掛け軸がある場合、そこから宗派を推測できることがあります。ただし、家に伝わってきたものが必ず現在の宗派を正確に示すとは限らないため、最終的には寺院や仏壇店に確認しましょう。
4. 仏壇の本尊や掛け軸を確認する
本尊や脇掛けの組み合わせから宗派の手がかりが分かることがあります。たとえば、阿弥陀如来、釈迦如来、大日如来、曼荼羅、祖師の掛け軸などは、宗派を調べるヒントになります。
5. 葬儀社・仏壇店・寺院に相談する
写真を撮って葬儀社や仏壇店に相談すると、宗派の見当をつけてもらえる場合があります。正式な判断や供養については、寺院に確認するのが安心です。
宗派が分からない場合は、仏壇や位牌を動かす前に写真を撮っておきましょう。後から確認する手がかりになります。
荘厳とは?仏壇を整えるという意味
荘厳(しょうごん)とは、仏像や仏堂、仏壇を美しく厳かに飾ることです。仏壇では、本尊、脇掛け、位牌、香炉、花立、火立などを整えることを指します。
ただし、正しい荘厳は宗派や寺院の考え方、仏壇の大きさ、地域の慣習によって異なります。インターネットの一覧だけで断定せず、菩提寺がある場合は必ず確認しましょう。
主な宗派と本尊の基本
以下は、主な宗派でよく見られる本尊や脇掛けの例です。実際の祀り方は寺院・地域・家の由来によって異なる場合があります。
天台宗
本尊は釈迦如来、阿弥陀如来、観音菩薩など、寺院や家の由来によって幅があります。脇掛けとして天台大師、伝教大師を祀ることがあります。
真言宗
本尊は大日如来が代表的です。脇掛けとして弘法大師、不動明王を祀ることがあります。
浄土宗
本尊は阿弥陀如来が中心です。善導大師、法然上人などを脇掛けとして祀ることがあります。
浄土真宗本願寺派・真宗大谷派
本尊は阿弥陀如来や名号です。浄土真宗では、一般的な位牌ではなく、法名軸や過去帳を用いることがあります。西本願寺と東本願寺で掛け軸の扱いが異なる場合もあります。
臨済宗・曹洞宗
本尊は釈迦如来が中心です。臨済宗では達磨大師、曹洞宗では道元禅師・瑩山禅師を脇掛けとして祀ることがあります。
日蓮宗
本尊は十界曼荼羅や三宝尊などが用いられます。日蓮聖人の像や掛け軸を祀ることもあります。
ここに挙げた内容は一般的な目安です。家の仏壇に古くから伝わる本尊や位牌がある場合、宗派の標準と違っていても、その家の歴史として大切にされていることがあります。
位牌・法名軸・過去帳の違い
宗派を確認するときに、位牌や過去帳も重要な手がかりになります。
- 位牌: 故人の戒名や没年月日などを記した木製の札
- 繰り出し位牌: 複数の戒名札を納められる位牌
- 過去帳: 故人の法名・戒名・俗名・命日などを記録する帳面
- 法名軸: 浄土真宗などで用いられる掛け軸状のもの
浄土真宗では位牌を用いないとされることが多いなど、宗派によって考え方が違います。新しく位牌を作る、古い位牌をまとめる、仏壇じまいをする場合は、寺院に確認しましょう。
宗派が分からないまま葬儀を迎えたら?
危篤や臨終の場面で宗派が分からない場合、まずは親族、古い位牌、墓地、過去の葬儀資料を確認します。それでも分からない場合は、葬儀社に「宗派が不明」と伝えましょう。
菩提寺がない場合は、葬儀社が僧侶を紹介することもあります。ただし、後で先祖代々のお墓に納骨する予定がある場合は、墓地を管理する寺院に確認したほうが安全です。
宗派が分からないからといって、慌てて決めてしまう必要はありません。故人の希望、家族の意向、お墓の事情を整理してから相談しましょう。
終活で宗派・菩提寺をメモしておく
宗派や菩提寺は、家族が知らないままになりやすい情報です。終活では、以下をエンディングノートに書いておきましょう。
- 宗派
- 菩提寺の名前、住所、電話番号
- お墓の場所
- 本尊、位牌、過去帳の扱い
- 法要をお願いしている寺院
- 戒名・法名についての希望
- 仏壇を引き継ぐ人、相談してほしい親族
宗派が分かるだけで、葬儀社との打ち合わせ、戒名の相談、仏壇の継承がかなり進めやすくなります。
まとめ 宗派は仏壇と葬儀の準備に欠かせない情報
家の宗派の調べ方と、本尊・荘厳の基本を解説しました。
- 宗派は葬儀、戒名、仏壇、位牌、法要に関わる
- 親族、菩提寺、墓地、位牌、過去帳、本尊から調べられる
- 本尊や仏具の置き方は宗派・寺院・地域によって異なる
- 分からない場合は写真を撮って葬儀社、仏壇店、寺院に相談する
- 終活では宗派と菩提寺を家族に残しておく
宗派は、知らないままでも日常生活は送れます。しかし、家族が亡くなったときや仏壇を引き継ぐときには、重要な手がかりになります。元気なうちに確認しておきましょう。
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