仏間とは、おうちの中で仏壇や位牌が安置してある部屋の事です。
もし、家を新築する際に仏壇を購入しようと考えている方は、購入したいと思う仏壇を下見しておくことをオススメします。
意外と多い間違いですが、先に仏間を作ってあとからその寸法にあった仏壇を選ぶというのでは順序が逆です。
仏壇とは本来、後の子孫に代々引き継いでいくものです。60~70年に一度修復していくことで150~200年は使用することが可能です。
仏壇は家具とは違い古くなったから、または傷があるからと言って買い替えるものではないのです。代々に渡り先祖が手を合わせてきた家の要というべきものだからです。
そもそも仏壇・仏間って必要なの?
近年では核家族化の影響により、自分の家の宗旨がわからない、本家には仏壇があるが自分の家には無い、さらには、法事に呼ばれた時以外は仏壇に手を合わせたことが無い、また、家を新築したが新仏がいないので仏間は作らなかったなどという方が結構多いようです。
子は親の背を見て育つといいますが、朝夕に仏壇の前に正座し、合掌礼拝する親の姿をお子さんに見せてあげませんか?
子供は必ず何かを感じとるはずです。
仏壇にお仏飯とお水を供え、仏様ご先祖様に手を合わせ嬉しいことや悲しいことを報告し、相談してみましょう。
安らぎと心を解き放つ場所、そうした一面を理解することはとても大切なのです。
仏間はどこに作ればいいの?
一般的には床の間が重要視されますが、仏間はさらに格上のものですから、室内の中央に仏間を作ることをオススメします。
部屋の隅に仏間を作ると後に後悔することになりかねません。
朝夕のお努め、法事などでお寺様をお願いした時などに、側面に壁や襖があると落ち着いて手を合わすことが出来ません。
また、仏間の框(かまち)は床の間と同じ高さでも構いませんが、仏間の鴨居が床の間より低くなる場合は、仏間框を床の間框より高くする必要があります。
次に仏間の襖ですが、通常の観音開きでは収まりがよくありませんし、劣化による襖のがたつきも考えられますので押し込み襖が最適です。
そうすることで、仏間前面がすっきりと収まりますよ。
仏間作りの要点!失敗しないための実践編
ここでは仏間作りの要点をまとめてみましょう。
- 奥行きは仏壇よりも15~20cmほど深く造る
- 横幅は仏壇よりも30~40cm広く造る
- 高さは仏壇よりも3cmほど低く造る
(仏間内部の天井はいくら高くても構いません)
ここまで新築を基準に述べてまいりましたが、現在すでに仏間がある場合は上記を参考にして、仏壇選びをしましょう。
例えば、奥行きは仏間よりも15~20cm浅いものを選びましょう。
そうすることで、バランスの取れた美しい仕上がりになります。
ここまでは一般的な半間仏間(約90cm)といわれるものを想定したものです。
大型仏壇(幅90~120cm)の安置は床の間を仏間として使用することもあります。通常は仏壇の扉は前開きですが、三方開き(仏壇の胴体部分も開閉できる仕様)という特殊な形状のものもあり、この仕様であれば、横幅90cmの仏壇でも一間仏間(180cm)が必要となりますので注意が必要です。
また、仏壇の安置という観点からいえば、仏間があるに越したことはありませんが、居間でも寝室でもその他の部屋であっても構いません。
大切な事は、出来るだけ心静かに手を合わせられる場所を選ぶということです。
お仏壇を安置する方向・方角
みなさんは方角を気にしたことはありませんか?
時折、耳にするのが仏壇を安置する方角についての解釈ですが、何れも決定的な根拠はありません。
いくつかの例を挙げて説明しましょう。
本山の方角に安置する
其々の家の宗派の本山の方向に向かって手を合わせるということですが、家の間取りの関係、または北海道に住む方と九州に住む方では方向が逆になるということにもなりますので気にすることはありません。
南面北座説
北側を背にして南側に向かって手を合わせるというこの説ですが、その出どころは直射日光を避け、湿気を防ぐという考え方からきたもので、仏教上の根拠はありません。
大切な事は心静かに手を合わせられる場所であるという事です。
さらに付け加えるならば、仏様を見下ろす位置は避けるべきだという事。
また、同じ部屋に神棚がある場合には仏壇を拝む際に神棚に背を向ける位置関係にならないよう注意が必要です。
著者:炉扇居士