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年金受給者が亡くなったときの手続き|死亡届・未支給年金・遺族年金

親の年金書類を家族が三つのファイルに整理する水彩イラスト

年金を受け取っていた親や配偶者が亡くなったとき、「年金を止める届出」「まだ受け取っていない年金」「遺族年金」は別々に確認します。

日本年金機構に亡くなった人のマイナンバーが収録されていれば、年金受給権者死亡届は原則省略できます。しかし、未支給年金は自動で遺族へ振り込まれるわけではなく、請求が必要です。

この記事では、年金受給者が亡くなったときの3つの手続き、請求できる遺族、必要書類、提出方法を整理します。

最初に3つへ分ける

  • 死亡の届出:年金の支給を止めるための報告
  • 未支給年金:亡くなった月分までの、まだ受け取っていない年金の請求
  • 遺族年金:要件を満たす遺族が今後受け取る年金の請求
老父
老父
亡くなった後に年金が振り込まれたら、そのまま家族が使ってよいのか
ヒツジさん
ヒツジさん
振込日だけでは判断できません。亡くなった月分までの年金か、返還が必要な過払いかを年金事務所へ確認しましょう

年金受給者が亡くなったときの確認順

  1. 年金証書や通知書で、受けていた年金と基礎年金番号を確認する
  2. マイナンバー収録により死亡届を省略できるか確認する
  3. 亡くなった月分までに未払いの年金があるか確認する
  4. 未支給年金を請求できる遺族がいるか確認する
  5. 遺族基礎年金・遺族厚生年金などの対象か別に確認する
  6. 年金事務所、街角の年金相談センター、共済組合へ相談する

親が亡くなった後の手続き全体は、次の記事で期限順に整理しています。

親が亡くなったらやること|期限別チェックリスト

年金受給権者死亡届は省略できる場合がある

日本年金機構に亡くなった人の個人番号、マイナンバーが収録されている場合、年金受給権者死亡届は原則として省略できます。

ただし、マイナンバーの収録状況が分からない場合や、共済組合から年金を受けていた場合は、提出先へ確認しましょう。

未支給年金を受け取れる遺族がいない、または未払いの年金が発生しない場合で、死亡届の省略対象でないときは、年金受給権者死亡届と次のような添付書類を提出します。

  • 亡くなった人の年金証書
  • 住民票除票や戸籍抄本など、死亡の事実を確認できる書類
  • 死亡診断書・死体検案書のコピーなど、案内された書類

届出が遅れると、受給資格を失った後の分まで振り込まれ、後日返還が必要になる場合があります。省略できると思い込まず、早めに確認してください。

未支給年金とは

年金を受けている人が亡くなったとき、まだ受け取っていない年金や、死亡後に振り込まれた年金のうち亡くなった月分までの年金を、未支給年金として受け取れる場合があります。

公的年金は通常、偶数月に前2か月分が支払われます。そのため、亡くなった時点で、支給対象になっていてもまだ振り込まれていない月分が生じることがあります。

未支給年金を受け取るには、「年金受給権者死亡届(報告書)兼 未支給年金・未支払給付金請求書」を提出します。

未支給年金を請求できる遺族

未支給年金は、遺産として法定相続分どおりに分ける手続きとは異なります。

亡くなった当時、その人と生計を同じくしていた次の遺族が、上から順に請求できます。

  1. 配偶者
  2. 父母
  3. 祖父母
  4. 兄弟姉妹
  5. そのほかの3親等内の親族

先順位者がいる場合、後順位者は受け取れません。同順位者が複数いる場合は、そのうち1人が代表して請求します。

「生計を同じくしていた」とは

同居だけで機械的に決まるものではありません。別居でも生活費や療養費を送っていたなど、経済的なつながりから認められる場合があります。別住所の場合は、生計同一関係に関する申立書などを求められます。

未支給年金の必要書類

請求する人の関係や住所、マイナンバーの記入により、省略できる書類があります。一般的な確認物は次のとおりです。

  • 年金受給権者死亡届兼未支給年金請求書
  • 亡くなった人の年金証書
  • 請求者のマイナンバー確認書類と本人確認書類
  • 亡くなった人と請求者の続柄を確認できる戸籍
  • 法定相続情報一覧図の写しを使える場合はその写し
  • 住民票除票、請求者の世帯全員の住民票など
  • 別住所なら生計同一関係に関する申立書
  • 受取口座を確認できる通帳等の写し

日本年金機構は、戸籍謄本や住民票について、亡くなった日より後に交付されたものを求めています。請求者が配偶者または遺族年金を請求する子である場合など、マイナンバー記入により一部書類を省略できることがあります。

原本の返却を希望する書類がある場合は、提出時に原本還付の扱いも確認しましょう。

提出先と提出方法

日本年金機構が支給する年金の場合、年金事務所へ郵送で提出できます。対面相談を希望する場合は、予約のうえ年金事務所または街角の年金相談センターを利用します。

e-Govを利用した電子申請も案内されていますが、請求書の電子添付などが必要です。操作に不安がある場合は、予約相談のほうが書類不足を確認しやすいでしょう。

地方公務員共済組合員期間のみの人など、加入歴によって提出先が共済組合になる場合があります。年金証書や振込通知書の発行元を確認してください。

年金を受けている方が亡くなったとき(日本年金機構)

遺族年金は未支給年金と別に確認する

未支給年金を請求できても、遺族年金を受け取れるとは限りません。反対に、未支給年金がなくても、遺族年金の対象になる場合があります。

主な遺族給付には次のものがあります。

  • 遺族基礎年金
  • 遺族厚生年金
  • 寡婦年金
  • 死亡一時金

受給要件は、亡くなった人の加入制度、保険料納付状況、遺族の年齢、子の有無、生計維持関係などで変わります。自己判断せず、年金事務所で加入記録を確認してもらいましょう。

ご家族が亡くなったとき(日本年金機構)

亡くなった人の口座はどうする?

未支給年金を請求した後でも、亡くなった人の口座を解約していないと入金される場合があります。一方、金融機関が死亡を知ると口座は凍結されます。

「入金があるかもしれないから黙っておく」「振り込まれたので使う」と判断せず、年金事務所と金融機関の双方へ相談してください。

親の銀行口座に関する相続手続きは、次の記事で整理しています。

親が亡くなった後の銀行口座|凍結と必要書類

家族が探しておきたいもの

  • 年金証書
  • 年金額改定通知書・年金振込通知書
  • 基礎年金番号通知書など番号が分かるもの
  • 共済組合から届いた通知
  • 年金の受取口座
  • マイナンバー関係書類
  • 戸籍・住民票を請求するための情報

元気なうちに、書類の保管場所と加入している年金制度を終活ノートへ残しておくと、家族の確認が早くなります。

終活ノートに書くことと保管場所

よくある質問

未支給年金は相続人なら誰でも請求できますか?

いいえ。亡くなった人と生計を同じくしていた遺族で、定められた優先順位に該当する必要があります。単に法定相続人であるだけでは判断できません。

死亡後に振り込まれた年金は全額返すのですか?

亡くなった月分までの年金は未支給年金の対象になり得ますが、それより後の月分は返還が必要になる場合があります。振込額を使わず、年金事務所へ内訳を確認してください。

未支給年金に税金はかかりますか?

日本年金機構は、受け取った未支給年金は受取人の一時所得に該当し、金額や他の一時所得によって確定申告が必要になる場合があると案内しています。個別の申告要否は税務署または税理士へ確認してください。

まとめ 3つの手続きを別々に確認する

  • マイナンバー収録済みなら死亡届を原則省略できる
  • 未支給年金は亡くなった月分までの未払い年金
  • 未支給年金には生計同一要件と固有の優先順位がある
  • 遺族年金は未支給年金と別の受給要件・請求手続き
  • 死亡後の振込は使わず、年金事務所へ内訳を確認する

書類が揃ってから相談しようと待つより、年金証書や通知書を手元に置き、先に年金事務所へ必要書類を確認するほうが手戻りを減らせます。

参考にした一次情報

制度の確認日:2026年7月13日。加入制度や家族関係により必要書類・提出先・受給要件は異なります。日本年金機構、年金事務所または共済組合へ確認してください。