老後にジムやパーソナルトレーニングを始めるなら、料金総額・途中でやめる条件・希望する日時の予約を契約前に確かめましょう。無料体験で気に入っても、その日のうちに長期コースや追加商品を申し込む必要はありません。
国民生活センターは2026年10月7日、パーソナルトレーニングの高額な契約や、エステ・サプリメントなどの追加契約に関する注意喚起を公表しました。通いたい気持ちを大切にしながら、家計と予定に合う条件かを確認してください。
月額だけでなく、支払い総額と利用期間を確かめる
広告に出ている月額が、会費なのか、コース料金を分割した支払額なのかを聞いてください。トレーニングを受けられる期間と、支払いが続く期間が同じとは限りません。
たとえば、2か月で8回通うコースを12回払いで契約するなら、利用期間は2か月でも支払いは12回あります。「通わなくなったら月々の支払いも止まる」と考えず、途中でやめた場合の精算と、分割払いの扱いを確認しましょう。
| 項目 | 聞いておきたいこと |
|---|---|
| 支払い総額 | 入会金、指導料、商品代、事務手数料、分割手数料を含む税込みの総額はいくらか |
| 利用できる期間・回数 | 開始日と終了日、受講回数、使い切れなかった回数の扱いはどうなるか |
| 予約 | 通える曜日・時間に空きがあるか。予約変更、欠席、トレーナー変更の条件は何か |
| 解約・休会 | どこへ、いつまでに、どの方法で申し出るか。返金・追加請求はどう計算するか |
| 追加契約・自動更新 | 商品やエステは別契約か。体験後やコース終了後に有料契約が続くか |
割引が付く場合は、「予定より早くやめたら、割引分や無料だった入会金を請求されるか」も質問してください。口頭の説明と規約が違うときは、違いが解消するまで署名や支払いを急がないようにしましょう。
サプリメントやエステは、一つずつ必要性を判断する
パーソナルトレーニングでは、体の状態や目標を聞いたうえで、関連商品や別のサービスを勧められることがあります。追加の提案を受けたら、トレーニングだけを選べるか、追加契約を断った場合に料金やサービスが変わるかを確認してください。
「サプリメントは毎月届く」「エステは別会社と契約する」といった条件があれば、代金、購入回数、解約窓口をそれぞれ確かめます。ジムを退会しても別の商品契約が続く条件になっていないか、契約書を分けて読んでください。
持ち帰って比べたいときは、「今日は体験だけにします。総額と解約条件が分かる資料をください」と伝えましょう。家族に相談する場合も、本人が続けたい運動や使ってよい予算を先に聞くと、話を進めやすくなります。
予約と通い方を、自分の一週間に当てはめる
回数を多く買う前に、実際に通える時間帯の予約状況を聞きましょう。体験が取れた時間と、継続して予約を取れる時間は別に確かめてください。
- 通える曜日・時間を二つほど挙げ、その時間帯の空き状況を聞く。
- 予約は何日前から取れるか、先の予約を何回分取れるかを聞く。
- 予約変更・欠席の締切と、回数を消化した扱いになる条件を確認する。
- 担当トレーナーを変更できるか、担当者が休んだときはどうなるかを聞く。
- 行き帰りの移動時間と交通費も、毎月の予定と予算に加える。
たとえば、通えるのが火曜と金曜の午前だけなら、その時間帯で週2回通える見込みがあるかを質問します。希望する時間が埋まっている場合は、利用期間内に回数を使い切れるかも確かめてから判断しましょう。
退会は、申出の締切・受付方法・精算まで確認する
ジムに行かなくなることと、退会手続きが完了することは別です。国民生活センターは、退会したつもりでも引き落としが続いた事例や、お試しプランが有料で自動更新された事例を紹介しています。
- 規約で受付先と締切を確認する。店舗、ウェブ、書面など、どの方法で申し出る契約かを確かめます。休会と退会の違い、翌月分を止める締切も聞いてください。
- 申し出た内容と日時を残す。送信画面、メール、提出書類の控え、担当者名を保存します。
- 退会日と精算内容を確認する。最終請求、返金の有無、別の商品契約が残るかを確かめ、受付完了の連絡を保存します。
- その後の利用明細を確認する。説明と違う請求や引き落としがあれば、控えを手元に事業者へ問い合わせます。
連絡がつかないときは、電話だけでなく、規約に載っているメールや問い合わせフォームも試し、連絡した日時を残してください。手続きが進まない、解約料の説明に納得できない場合は、消費生活センターに相談しましょう。
「後でクーリング・オフすればよい」とは限らない
通常、店舗で交わすスポーツジムの契約には、原則としてクーリング・オフ制度はありません。「契約してから数日以内なら、理由を問わず無料でやめられる」と考えて申し込むのは避けましょう。
ただし、路上で呼び止められて店舗へ連れて行かれた場合や、契約の勧誘であることを隠して電話・SNSで呼び出された場合など、勧誘方法によって扱いが変わることがあります。契約した場所だけで決めつけず、どう誘われたかも相談先へ伝えてください。
エステは、体型を整えたり体重を減らしたりする施術など、法律で定める内容に当たり、契約期間が1か月を超え、入会金・施術料・必要な関連商品などの契約総額が5万円を超える場合、特定商取引法の「特定継続的役務提供」の対象になります。ジムと一緒に申し込んだからといって、両方に同じ解約ルールが適用されるとは限りません。個別の適用は、契約書を用意して消費生活センターに確認してください。
困ったときは消費者ホットライン「188」へ。
地域の消費生活センターなどの相談窓口につながります。相談は無料ですが、窓口につながった時点から通話料金がかかります。契約書・規約、広告の画面、支払いの記録、やり取りの控えを手元に置き、契約日と勧誘の流れを伝えましょう。資料がそろわなくても、相談を先延ばしにする必要はありません。
まずは、見積もりに確認結果を書き込む
契約前に、見積もりの余白や手帳へ次の5点を書いてください。不明な項目は担当者に質問し、答えを規約や見積もりと照合しましょう。
- 税込みの支払い総額と、支払いが終わる時期。
- 利用期間・回数と、通える曜日・時間。
- 休会・退会の締切、受付方法、精算の条件。
- 商品・エステなどの別契約と、自動更新の有無。
- 問い合わせ先と、契約書の保管場所。
契約後は、事業者名・連絡先・支払い方法・書類の保管場所を、家族が確認できる場所に残しておくと、急な入院などで手続きを頼むときにも役立ちます。書く項目や保管方法は終活ノートに書く項目と保管の注意点を確認してください。
費用や通い方が合わなければ、別の楽しみから始めてもかまいません。お金をかけずに始める老後の趣味と楽しみ方も参考になります。
参照先と情報の基準日
情報確認日:2026年10月27日。料金・予約・退会条件は、申し込むプランの見積もりと最新の規約で確認してください。
- 国民生活センター:パーソナルトレーニングの契約トラブル(2026年10月7日公表)
- 国民生活センター:スポーツジムの契約・解約時の確認点(2024年1月24日公表)
- 国民生活センター:スポーツジムの解約とクーリング・オフの注意点(2018年10月11日公表、PDF)
- 東京都・東京くらしWEB:特定継続的役務提供の対象と契約のルール
- 消費者庁:消費者ホットライン188の案内



