カニや魚などの購入を勧める電話のあと、頼んでいない荷物が届いたら、まず注文・契約をしたかを確かめ、心当たりのない代引きは支払う前に確認しましょう。注文していない一方的な送り付けと、電話で購入を約束した場合では、取る手順が違います。
国民生活センターは2026年10月28日、年末に増える傾向がある海産物の電話勧誘・送り付けトラブルについて注意を呼びかけました。断ったのに商品が届く、1回限りと思っていたのに複数回の契約だと言われる、といった相談が挙がっています。
出典:海産物の電話勧誘販売・送り付けトラブルへの注意(国民生活センター、2026年10月28日公表)
荷物が来たら、注文したか・契約したかで対応を分ける
配達時は、宛名、差出人、代引きの金額を確かめます。同居する家族の注文や贈り物ではないかも、本人に確認してください。別の人宛ての誤配は、送り付けと決めず配送会社へ連絡します。
| いま分かること | 最初にすること | その後の確認 |
|---|---|---|
| 注文・契約をしていない | 一方的な送り付けなら受取を断る。代引きも支払わない | 受け取った場合は、契約がないことを確かめて下の送り付けのルールを確認 |
| 電話勧誘で購入を約束した | 契約書類と受け取った日を確認し、188へ早めに相談 | 電話勧誘販売に当たるか、クーリング・オフの手順を確認 |
| 注文・契約の有無が不明 | 支払う前に確認。配達員に事情を伝え、持ち帰りなど可能な扱いを相談 | 通話履歴・書類を集めて188へ。処分も急がない |
| 誤配・贈り物の可能性 | 配送会社や、心当たりのある家族・贈り主へ確認 | 注文なしの送り付けのルールを、そのまま当てはめない |
配達員は販売契約の判断をする窓口ではありません。契約したかどうかでもめているときは、販売業者とその場で長くやり取りせず、消費生活センターに経緯を伝えましょう。
注文していない一方的な送り付けは、代金を払う必要がない
注文や契約をしていないのに、事業者が金銭を得る目的で一方的に自分宛てに送ってきた商品は、届いただけで売買契約が成立するものではありません。代金を払う必要はなく、直ちに処分できます。この条件に当たる商品は、開封したり処分したりしたことだけで支払義務が生じることもありません。
これは2026年10月に始まった制度ではなく、2021年7月6日施行のルールです。以前の「14日間保管してから処分する」という扱いとは異なります。
ただし、「見覚えがない荷物は何でも捨ててよい」という意味ではありません。家族の注文、贈り物、誤配、注文したか分からない場合は、先に確認が必要です。相談に備え、送り状、請求書、商品名、差出人、金額を写真に残しておくと、状況を伝えやすくなります。
相手が「注文を受けた」「開けたから払え」と言っても、その言葉だけで契約や支払義務が生まれるわけではありません。注文の有無に争いがあるときは、一人で交渉を続けず188へ相談してください。
出典:消費者庁売買契約に基づかないで送付された商品に関するQ&A、注文していないのに届いた商品の扱いと2021年の法改正
電話で契約した場合は、クーリング・オフの期限を確認する
事業者から電話で勧誘されて海産物の購入を申し込んだ場合など、特定商取引法の電話勧誘販売に当たる取引では、原則として法律で定められた書面を受け取った日から数えて8日以内にクーリング・オフができます。受け取った日を1日目として数えます。
「商品が届いた日から8日」と思い込まず、契約書類の内容と受取日を確認してください。書面がない、不備がある、解約できないと言われた、期限を過ぎたか分からない場合も、自己判断で諦めずに相談しましょう。
- 電話を受けた日、商品名、数量、金額、1回限りか複数回か、支払状況を確認する。
- 契約書類と封筒をそろえ、受け取った日をメモする。
- 解約したい意思を、書面または電子メールなどの電磁的記録で販売業者へ通知する。電話で断るだけで終えない。
- 通知の写し、郵便の記録、送信メールや完了画面を残す。具体的な通知先・内容は188で相談する。
クーリング・オフができる場合、商品の引取り費用は販売業者の負担です。届いた商品を自己判断で捨てたり、相手の要求どおり違約金や返送料を払ったりする前に、返却方法も確認しましょう。
自分から通常の通販を申し込んだ場合などは、同じ扱いになるとは限りません。「電話で買った」という点だけで判断せず、誰から電話をかけ、どんな勧誘を受けたかを相談時に伝えてください。
支払ったあと・断ったあとに請求されたとき
契約なしの一方的な送り付けなのに、代金が必要だと思って支払ってしまった場合は、販売業者に返金を求めることができます。ただし、必ず全額が戻ると約束されるものではありません。代引きの控え、振込明細、請求書などを手元に置き、188へ経緯を伝えてください。
受取を断ったあとに「損害賠償を請求する」などと言われても、請求の言葉だけで支払いを決めないでください。電話番号、日時、言われた内容を残し、契約に関する相談は消費生活センターへ、脅すような電話など安全に関わる緊急でない相談は警察相談専用電話#9110へつなぎましょう。
注文を断ったあとの請求や、支払ってしまった場合の対応は、国民生活センターの今回の注意喚起でも案内されています。
188へ相談するときのメモ
契約したか判断できない、解約したい、支払いを求められているときは、資料が全部そろうのを待たずに相談できます。分かる項目だけ記入し、書類や写真を手元に置いてください。家族や見守る人からの相談も可能です。
- 電話が来た日時:__年__月__日__時ごろ
- 相手の会社名・担当者名・電話番号:____
- 商品名・数量・金額:____
- 自分が伝えた言葉:注文した/断った/覚えていない/その他____
- 1回限りか、複数回・定期購入の説明があったか:____
- 契約書類を受け取った日:__年__月__日/届いていない
- 商品が届いた日・受取状況:____
- 支払い:していない/代引き/振込/その他____ 金額__円
- 残っているもの:送り状/請求書/契約書類/支払控え/通話履歴・録音
- いま困っていること・希望:____
消費者ホットライン188は、お住まいの地域の消費生活相談窓口を案内します。相談は無料ですが、窓口につながった時点から通話料がかかります。つながらない場合や利用できない電話回線の場合は、地域の消費生活センターの窓口と受付時間を確認してください。
消費者ホットライン188の使い方・地域の窓口を探す(消費者庁)
家族で決める「電話では買わない・迷ったら確認」のルール
不要な勧誘には「買いません。今後の勧誘もお断りします」と短く伝え、会話を終えましょう。特定商取引法の電話勧誘販売では、契約しない意思を示した人への勧誘の継続や再勧誘は禁止されています。
「いいです」だけでは意味が伝わりにくいことがあります。興味がないときは「購入しません」と言い切り、品物や支払いの話を続けないようにします。留守番電話など、知らない番号にすぐ出ない方法も家族で相談してください。
- 突然の勧誘電話では購入を決めず、必要な買い物は家族とも確認してから行う。
- 家族が本人宛てに注文するときは、品物、差出人、届く日、代引きの有無を事前に知らせる。
- 迷ったときに連絡する家族と、連絡が取れないときの188を電話の近くに置く。
- トラブルに気づいた人を責めず、書類と履歴を一緒に確かめる。
SMSや偽の警告画面から電話へ誘導された場合は、高齢の親と決めるスマホ詐欺対策も確認してください。訪問してくる業者への対応は、訪問販売・点検商法の断り方と相談先へ進めます。
よくある疑問
海産物を開封したら、必ず代金を払うことになりますか?
注文や契約がなく、事業者が金銭を得る目的で一方的に送った商品なら、開封だけで支払義務は生じません。電話で注文した可能性がある場合や、家族の注文か分からない場合は、このルールで判断せず188へ相談してください。
断ったのに「今回だけ受け取って」と言われたら?
注文を断っていて一方的に送られた商品なら、受取を断り、代金は支払わないようにします。相手と長く話して新たに購入を約束せず、請求や繰り返す電話の記録を残して相談しましょう。
離れて暮らす家族が代わりに相談できますか?
家族からも相談できます。本人の分かる範囲の話を聞き、送り状や契約書類の写真、支払状況を集めて相談してください。相談前に本人へ強く問い詰める必要はありません。
普段から連絡先や買い物・契約の確認先を残したいときは、終活ノートに家族へ伝える情報を書き残す方法も役立ちます。暗証番号やパスワードを人目につく相談メモへ書く必要はありません。
制度・相談先の情報確認日:2026年10月30日。個別の契約の成立や解約方法は、通話内容・書面・取引形態に応じて消費生活センター等へ確認してください。



