スマートフォンは、家族との連絡、写真、地図、天気、買い物、通院予約など、老後の暮らしを支える便利な道具です。
一方で、偽SMS、フィッシング、偽のセキュリティ警告、サポート詐欺、投資や副業を装う勧誘など、スマホを入口にした詐欺も増えています。
高齢者のスマホ詐欺対策で大切なのは、「押さない」「電話しない」「ひとりで決めない」を家族の共通ルールにすることです。
この記事では、高齢者がスマホで狙われやすい詐欺の種類、見分け方、家族でできる予防策、被害に気づいたときの相談先を整理します。
高齢者がスマホ詐欺で狙われやすい理由
スマホ詐欺は、スマホに慣れていない人だけを狙うものではありません。スマホをよく使う人でも、急がせる文面や本物に似た画面にだまされることがあります。
特に高齢者の場合、次のような事情が重なると被害に気づきにくくなります。
- SMSやメールのリンクをそのまま押してしまう
- 警告画面が出ると、慌てて表示された電話番号にかけてしまう
- 家族に相談する前に、相手の指示どおり操作してしまう
- ネット銀行、スマホ決済、クレジットカードの利用状況を家族が把握していない
- 「迷惑をかけたくない」と思い、被害を言い出せない
警察庁は、フィッシング対策として、不審なメールやSMSのリンクを開かないこと、ID・パスワードやクレジットカード情報を入力しないことを呼びかけています。
よくあるスマホ詐欺の種類
偽SMS・フィッシング
宅配業者、銀行、クレジットカード会社、携帯会社、通販サイト、税金や公共料金の案内を装って、SMSやメールが届くことがあります。
リンクを押すと、本物そっくりの偽サイトに誘導され、ID、パスワード、暗証番号、クレジットカード情報を入力させられることがあります。
よくある文面
- 荷物をお届けしましたが不在でした
- アカウントが停止されました
- 支払い方法を更新してください
- 未払い料金があります
- 本人確認が必要です
本物の会社名が書かれていても、SMS内のリンクから手続きしないことが基本です。確認する場合は、公式アプリ、公式サイト、契約書類に書かれた電話番号から確認しましょう。
サポート詐欺・偽のセキュリティ警告
スマホやパソコンでインターネットを見ていると、突然「ウイルスに感染しました」「今すぐ電話してください」といった警告が表示されることがあります。
これは、表示された番号に電話させ、遠隔操作や有料サポート契約、電子マネー購入などに誘導する詐欺の可能性があります。
IPAは、偽のセキュリティ警告に表示された番号に電話をかけないよう注意を呼びかけています。
偽のセキュリティ警告に表示された番号に電話をかけないで(IPA)
特殊詐欺につながる電話・メッセージ
スマホには、電話、SMS、LINE、SNSのメッセージなど、さまざまな連絡が届きます。
警察庁は、オレオレ詐欺、還付金詐欺、架空料金請求詐欺などの特殊詐欺への注意を呼びかけています。
スマホ詐欺は、ネットだけで完結するとは限りません。最初はSMSでも、途中から電話、ATM、コンビニの電子マネー、銀行振込へ誘導されることがあります。
SNSや広告からの投資・副業詐欺
SNSや動画広告で、「必ずもうかる」「老後資金を増やせる」「スマホだけで簡単に稼げる」といった勧誘を見ることがあります。
投資や副業を装った詐欺は、最初は少額で始めさせ、信じたところで大きな入金を求めることがあります。
高齢者本人が「子どもに心配をかけたくない」と思い、相談しないまま進めてしまうこともあるため、家族で早めにルールを決めておきましょう。
スマホ詐欺を防ぐ家族ルール
- SMSやメールのリンクはすぐ押さない
- 警告画面に出た電話番号へ電話しない
- 暗証番号、パスワード、認証コードを人に教えない
- 電子マネーを買って番号を教えるよう言われたら詐欺を疑う
- ATMへ行くよう言われたら、必ず家族か警察に相談する
- 高額な契約や投資は、その場で決めない
- 不安なメッセージはスクリーンショットを撮って家族に送る
高齢の親に「気をつけて」と言うだけでは不十分です。何をしてはいけないのか、迷ったら誰に聞くのか、具体的に決めておきましょう。
スマホ側でできる予防設定
使い方のルールに加えて、スマホ側の設定も見直しておきましょう。
- OSとアプリを更新する
- 画面ロックを設定する
- 不審なアプリを入れない
- 迷惑電話・迷惑SMS対策機能を使う
- クレジットカードやスマホ決済の利用通知をオンにする
- アプリ課金や決済の上限を確認する
- 家族が確認できる緊急連絡先を設定する
スマホの安全設定は、こちらの記事でも詳しく整理しています。
被害に気づいたときの対応
もしリンクを押した、情報を入力した、電子マネー番号を教えた、遠隔操作を許可した、送金してしまった場合は、できるだけ早く対応します。
- 家族にすぐ相談する
- 利用した銀行、カード会社、携帯会社へ連絡する
- パスワードを変更する
- 警察や消費生活センターへ相談する
- スマホに不審なアプリが入っていないか確認する
国民生活センターも、偽警告によるサポート詐欺などのトラブルに注意を呼びかけています。
被害にあったことを責めると、次から相談しにくくなります。家族は「早く言ってくれてよかった」と受け止め、再発防止の設定やルールを一緒に見直しましょう。
終活としてスマホ詐欺対策をしておく
スマホ詐欺対策は、防犯だけでなく終活にも関係します。
ネット銀行、スマホ決済、サブスク、ポイント、写真、連絡先などは、本人以外には見えにくい情報です。スマホの契約やデータを整理しておくと、詐欺対策にも、もしもの時の家族の手続きにも役立ちます。
デジタル情報全体の整理は、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事
スマホ詐欺対策は、スマホ設定、親にスマホを持たせる準備、デジタル終活、家族の見守りとあわせて考えると整理しやすくなります。
まとめ スマホ詐欺は家族のルールで防ぐ
高齢者のスマホ詐欺対策について解説してきました。
- SMSやメールのリンクはすぐ押さない
- 警告画面に出た電話番号には電話しない
- パスワード、暗証番号、認証コードは教えない
- 電子マネーやATMに誘導されたら詐欺を疑う
- 迷ったら、家族・警察・消費生活センターに相談する
スマホは、老後の暮らしを便利にしてくれる道具です。怖がって使わないのではなく、安全な設定と家族のルールで、安心して使える形に整えておきましょう。



