自分にとってベストな終焉を迎えるべく作成するのが終活ノート。
終活ノートは遺言書のようなものだと思っている人もいるかと思いますが遺言書とは異なり自分のことを記したノートとなります。遺言書は主に相続関係のことを書き記記したもので、終活ノートは自分が亡くなったあと遺族にお願いしたいことや友人関係など自分でしか把握していないことをわかりやすくまとめたもの。遺族にとっても故人からの大事なメッセージです。
終活という言葉もポピュラーとなりたびたびメディアで取り上げられていますが現状終活ノートの作成は約1割程度の人と言われており、まだまだこれから普及が浸透することが予想されるもの。
漠然としたイメージしかもっていない人も今回は終活ノートの選び方や書き方などを紹介していきたいと思いますのでぜひ参考にしてみてください。
終活の一環として「終活ノート」です。
終活ノートとは別名エンディングノートとも言います。
内容は希望の葬儀方法や自分の人生感、資産(財産)、保険、介護、医療、延命治療、デジタルデータ、友人関係、遺品整理、保管場所など記載内容は自由が基本。
超高齢化社会の現代痴呆も身近な問題ですし、そもそも死期はいつ突然襲いかかるかわからないもの。その時「伝えなくてはならないこと」を伝達できるという保証はなく、何かと心配なこともきっとあるはず。
それなら事前に準備しておこうというのが終活ノートです。終活ノートとなるとなんだか集大成のノートみたいで一大イベントのようなイメージを受ける人もいるかもしれませんが、至ってシンプルなメッセージ。
必要品の置き場や暗証番号などのメモで1時間もあれば作成完了するでしょう。死期に備えての準備が終活ノートですが、例えば入院や突然の代役が必要になったときに備えて若い人も作成しておくと便利。
仕事でも同じかと思いますが、「自分がいなくなったら稼働しない」という状態が1番危険な行為。それなら自分がいなくなっても稼働するよう、代わりの人が行える状態を確保しておこう!という趣旨もあります。
通帳の暗証番号や保険証書の場所はもちろん、これらを一覧にまとめておくのもおすすめ。
いざというときにどういうものを利用しているか、どういうものに加入しているかがわかりやすく急な入院でもお金の準備や保険の手続きを自分以外の人が進めることが可能に。
実際にサポートする身近な人にメリットも多いのも終活ノートの特徴。遺言書が最後のメッセージなら、終活ノートは自分史にあたる存在です。
自分史となるとあれこれ書きたい、伝えたいという気持ちが出てくるかもしれませんが、注意点としては第三者が見たときに分かりやすく整理してくこと。
文字を読むのが苦痛でない人ならまだいいかもしれませんが中には苦痛の人もいます。自分が興味があるものであれば読み進めることも比較的安易ですが、そうではない場合読み進めることもけっこう難しい場合も。
最終的に「どうしてもこれは伝えなければならない」というものだけシンプルにまとめましょう。
ノートは1冊あれば十分のレベルで、作成も1時間を目安に行ってみるといいでしょう。なぜなら時間をかけると長文になりがちですし、人間は欲張りなのでつい「あれもこれも・・・」と増えがちなもの。自分の中で必要最小限に整理してから作成しましょう。
終活ノートは法的効力はありませんが遺族がきっと意思を受け継いでくれることでしょう。イメージがまとまらない人は終活カウンセラーに相談してみるのも1つの手段。
楽天インサイト株式会社の調査では終活ノート(エンディングノート)を作成している人は1割ほど。年代で見ると60代以上の人が多くみられます。
楽天インサイト株式会社(https://insight.rakuten.co.jp/report/20180215/)
現在80代の方も現役で活動されていたり、昔の高齢者とは違ってとても元気でアクティブな人が多いのも事実。しかし寿命だけは自分で決められないもの。若い人も同じことが言えますが、高齢となるとそれはますます現実味を帯びることになります。人間は寿命があり、加齢とともに体が衰えるのが常。
今までなかなか作ることが難しかった「時間」を確保できるとき。それならこの機会に終活ノートを作り上げるのも良いかと思います。
70代80代でも元気かもしれませんが、もしかしたら体調不良がちになることもありえますし、痴呆が始まる可能性もあります。
もしもをあげたらきりがありませんが、準備しておくに越したことはありません。終活は就活と同じくらいポピュラーな言葉になりつつあり、終活ノートはもっと多くの人に浸透しているのかと思いきや現段階では1割程度。
ちょっと意外な印象も受けますが、終活という言葉が世の中に浸透するにつれて終活ノートの普及も時間の問題です。遺族にとってもありがたい存在でぜひとも残しておきたいもの。
終活ノートはどうしてもやらなくてはいけないことではなく、急用性が低いものでもあります。その影響か、作成はつい後回りになりがち。そんな人こそこの機会に作成してみませんか?
遺言書とは違うの?
遺言書は相続関係で終活ノートとは異なります。終活ノートは遺族へのメッセージボードのようなものです。
自分に何かあったとき、例えば意識がない状態や身動きができない体になったときなどアクシデントは突然襲いかかるもの。そんなとき役立つのがメッセージボード。
終活ノートでも相続に関することを書き記すことは可能ですが、わかりやすくいうと遺言書は相続関連、終活ノートは身近な日常に関するものというイメージ。そのあたりも自分で整理しておきましょう。
自分では理解していても残された遺族が理解できない状態だと労力がかかることが予想されます。お墓や葬儀社、遺産、供養などいくつか希望があるかと思いますがこちらについても希望を記しておいた方がわかりやすく、遺族も故人の遺志に沿って作業を進めやすいもの。
もちろん資金も用意しておきたいところ。葬儀についても最近は家族葬が流行っています。高齢で亡くなる人が多く、家族だけでこじんまり葬儀を行うというもの。
葬儀についてもやり方もさまざまで費用も10万円程度から100万円前後。お任せでいいといった人はせめてお金の準備はしておきましょう。最期も自分の希望で行ってほしいといった人はしっかりメッセージを残しておくことが大事です。
遺言書は公正証書遺言や遺産相続遺言に該当と思えばいいでしょう。相続人は知人有無を問いません。法的効力は遺言書より相続人との関係が優先。
終活ノートも遺言書も必ずしも希望が通るわけではありませんが作成しておく価値は十分あります。
終活ノートの形式はあるのか?
終活ノートの形式はズバリ「自由」です。自分のスタイルで書き進めて問題ありません。
レイアウトが決まっていた方がわかりやすいといった人が多いのも事実。ノートはどれを選べばいいのか、どういう形式で書けばいいのかなどいくつか疑問点が思い浮かぶと思います。
基本は「シンプルイズベスト」。みなさんもご存知かと思いますがシンプルってとても大事なことなんです。
相手に分かりづらいと不便なのでシンプルでわかりやすくまとめようというのが趣旨です。
ノートなんてなんでもいいのですが、終活という人生の大事なターニングポイントでもあるのでノートもこだわりたいといった人がいるかもしれません。
そうした人たちから定番となっているのですがコクヨ エンディングノート「もしもの時に役立つノート」です。まずはこちらから使用してみるのもおすすめ。
勉強のためのノートだったコクヨのノートが人生の最後も締めくくるというのも何かの縁かもしれません。ノートのレイアウトも「さすがコクヨ!」という工夫の数々。
特にCDまで入れるスペースがあるのは現代版の象徴です。データをパソコンで管理しているといった人も多いことでしょう。
文字を書くのが苦手な人もパソコンでデータ作成あるいはメモ作成などなら容易に行うことが可能です。
形式が自由であるものは何かを参考にするのが1番の近道。すでに完成形となっているものを参考にして作ってみるといいでしょう。
一から自分で作り上げたいといった人は話が別ですがそうではない人は真っ白な状態からスタートするよりイメージモデルがあった方が作業に入りやすいかと思います。コクヨのノートなどぜひ参考にしてみてください。
書き方のポイント
書き方のポイント一例を紹介します。
- 自分について
- ペットの世話やデジタル・書類関係など
- お墓や供養
- 相続関係
このようにまずは項目を挙げてみましょう。項目を整理することで骨組みがわかりやすいノートに仕上がります。時間の節約につながることも。
自分について
例えばなかなか言いづらい生い立ちの話を書くのもよいかと思います。子供の父親を伏せている人は真実を告げる場にしてもいいわけです。
このノートを見るときは自分の死後か重大な何かがあった時の可能性が高いので、遺族の気持ちも考えながら作成しましょう。葬儀準備でとても忙しい状況かもしれませんし、悲しみにふけっている状態かもしれません。それならノートで元気づけられるようなものに仕上げるのも良いかと思います。
ペットやデジタル関係
これも日常生活で欠かせないもの。愛犬を飼っている人は愛犬の好きな餌や予防接種状況、病院の履歴などを残しておくといいでしょう。
愛犬も飼い主が亡くなったあとは落ち込んでいる可能性が高いです。少しでも日常に近い生活が送れるよう、飼い主としてノートに記載し準備しておくのもおすすめ。
デジタル関係はパスワードなどをまとめるのもおすすめ。自分がこの世からいなくなったあとはすべて削除するといったものもあります。
死後にデーター破棄する機能もありますのでそちらの活用もおすすめ。遺族にリセットしてもらったり、パソコンの廃棄をお願いするのも良いかと思います。
お墓や供養について
メッセージとともに資金調達もしておきたいところ。遺族への負担を減らすために最低限の資金は準備しておきましょう。
保険が下りることになっているといった人は保険の手続きの仕方などをまとめておくといいでしょう。
相続について
希望を書くわけですが、遺言書以外で伝えたいことを書くのが基本となります。例えば形見としてもらってほしいものや、宝石などの処分など。
メッセージを明確に伝える、残すというのはとても大事な作業の1つですが、まずは最小限に整理整頓することをおすすめします。
まとめ
終活ノートの作成はズバリ「シンプルイズベスト」です。シンプルに仕上げるために不要なものは処分することが大事。そして自分以外の人が見てもわかりやすいよう、メッセージを作り上げるのがコツです。
相手にわかるようメッセージを残すのは簡単なようでけっこう大変な作業。スムーズに行うためにも今回の記事を参考にしていただければ光栄です。