成年後見制度の見直しは、議論だけの段階から改正法の成立へ進みました。2026年6月17日に改正法が成立し、6月24日に公布されています。ただし、法律が成立した日に、利用中の手続きがすべて新制度へ切り替わるわけではありません。
この記事では、見直しの要点と、本人や家族が今困っていることを相談するための準備を整理します。
改正で何が見直されるのか
法務省は、法定後見のうち後見・保佐を廃止して補助へ一元化し、本人に必要な範囲で利用できる仕組みにすることを改正の柱として示しています。本人の生活と必要な支援に合わせて考えることが重要です。
これは「家族なら本人の財産を自由に使える」「好きな時に手続きなく終了できる」という意味ではありません。権限の内容、開始や終了、既存の審判からの扱いには法令と裁判所の手続きが関係します。
施行時期と、利用中の人の注意点
法務省の案内では、成年後見制度の見直しに係る改正は公布から2年6か月以内の、政令で定める日に施行される区分です。これは施行期限の区分であり、具体的な開始日そのものではありません。
本記事では個別の施行日や経過措置の適用を確定して案内していません。利用中の方は、担当の後見人等や家庭裁判所へ、自分のケースに適用される手続きと時期を確認してください。ニュースだけを理由に報告や支払いなどを中止しないようにしましょう。
相談に持っていく5つのメモ
| 項目 | 書く内容の例 |
|---|---|
| 本人の希望 | 住み続けたい場所、頼みたい人、避けたいこと |
| 困っている手続き | 施設契約、生活費の支払い、相続の書類など |
| 期限 | いつまでに何を決める必要があるか |
| 現在の支援 | 家族、担当者、既存の後見・委任契約等 |
| 財産と継続費用 | 名義、所在、毎月の生活費や支払い |
「認知症だから全部代わる」とまとめず、本人が自分で決められること、説明があれば選べること、支援が必要なことを分けて伝えます。家族の都合だけで、本人の希望を省略しないようにしましょう。
法定後見・任意後見・家族信託は同じではない
法定後見は家庭裁判所の手続きが関係する制度です。任意後見は、将来の判断能力低下に備えて、支援内容と受任者を契約で決めておく仕組みで、公正証書での契約や任意後見監督人の選任が関係します。
家族信託も万能ではなく、信託した財産の管理と、それ以外の生活上の支援を分ける必要があります。遺言は主に死亡後の財産の承継を扱うもので、生前の契約支援をすべて代替しません。
誰に相談するかを、困りごとから選ぶ
- 生活と介護を含めて整理したい:地域包括支援センターや自治体の成年後見相談窓口
- 申立ての手続きを確認したい:本人の住所地を管轄する家庭裁判所
- 法律上の判断や紛争がある:弁護士などの専門家
- 任意後見契約を検討したい:公証役場や制度に詳しい専門家
費用は一律ではありません。申立てに伴う費用、専門家へ依頼する費用、開始後の報酬など、いつ何に支払いが発生するかを分けて見積もり・説明を求めましょう。家族が必ず選任される、必ず無料になるといった断定も避けてください。
参考にした一次情報
情報確認日:2026年9月21日。法案段階の記述を成立・公布情報へ更新し、施行時期との違いを明確にしました。個別の利用・移行・終了の可否は専門家や裁判所に確認してください。
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